傘の下

□クラスにいる陰キャの様な女の子が実は美人だって話よく聞くけどそれって小坂さんの事?
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俺はクラスで中心的な立場にいる。
何故かは分からないが気がついたらこの立場だ。












海人「小坂さん、今日皆で遊びに行くけど遊びに行かない?」














小坂さんは常にメガネにマスクで顔を隠している。
誰も素顔を見たことがないで有名な人だ。
そして












菜緒「ごめんなさい、用事があるので」
海人「そっか、また誘うからその時都合が合えば行こ?」

















人の誘いに乗らないので有名。
誰が誘っても遊びに行かない。
その後、授業は空を優雅に漂う雲のようにゆっくりと流れる。










海人「やっべ、スマホ忘れたわいつもの場所ね?先行ってて」















そう言って教室に戻る。
オレンジ色に染まる教室に人影があった。


















海人「あのー君は?」












教室には一人の女の子が席に座って本を読んでいた。
確かその席は…

















海人「小坂さん?」
菜緒「見ないでください」










ゆっくりと小坂さんに近づく。
急いでメガネを掛けてマスクをつけていた。
まず小坂さんの目の前に立ち、メガネを奪った。











海人「あれ?度が入ってない…」
小坂「あ!返してください!」












小坂さんより20cm程身長が高いので手を上に伸ばしてメガネを小坂さんに返さないようにした。









小坂さんの注意がメガネに行っている間に小坂さんのマスクを外した。
その素顔はハーフの様な顔立ちの美人だった。















海人「めっちゃ可愛いじゃん、なんで髪もセットしないでそんな干物女がコンビニ行くみたいな格好してんの?勿体ないね」
菜緒「ひ、干物女…」
海人「誰とも関わらないのはなんで?」
菜緒「自信ない…菜緒人見知りやから喋られへんねん」


















よく分からない。
女の子はよく分からない。
何故これだけ顔が整っているのに自信が持てないのか?その辺の女子高生よりレベチの差がある。
余裕でこの学校のマドンナになれるのに自信が持てない。
なんでだろうか。

















海人「じゃあ予定あるのは嘘?」
菜緒「ごめん…」
海人「来て」














そう言って小坂さんの手を取り下駄箱に向かった。
その間に電話で急用が入ったから行けないという事を伝えた。
そして小坂さんを連れて電車に乗り、繁華街に着いた。
















海人「っし、小坂さん変えてあげるよ」
小坂「え?菜緒はええよ…」
海人「はいはい、そのルックスでそのまま陰キャのフリしてたら虐められるよ?虐められたいドMならそのままでいいけど?」
小坂「…」
海人「無言なら嫌なんでしょ?金の心配はいらないから」















そう言って小坂さんを連れてお洒落な美容室に入った。









海人「おーい、兄貴」
兄貴「ん?」
海人「お客さん、この子うんと可愛くして」
兄貴「へいへい、任せとけ」


















小坂さんが髪を切っている間にとある所に電話した。















海人「もしもし?美玖?」
美玖「なに?」
海人「日向町のいつもの美容室に来て」
美玖「えー私今日せっかくのオフなのにーまぁ海人君のお願いなら仕方ないか!わかった!」
















電話の相手は今大人気のモデル雑誌でレギュラーモデルをしている金村美玖。
俺の従姉で雑誌のエースモデル。
美玖が出るのと出ないので雑誌の売れ行きが倍以上変わるという若者のカリスマだ。
それから少ししてカランコロンと音が鳴った。
入口を見ると明らかにオーラの違うお洒落な女の子が立っていた。













海人「お、美玖おひさ」
美玖「久しぶり、んで?今日は何用?」
海人「一人の女の子の改造計画で服装とか着こなしとかメイクとかその辺教えてあげて欲しいなーって」
美玖「いいけど、その女の子は海人の正体知ってる?」
海人「ん?あー元モデルで親がアパレル業界のトップで兄貴がカリスマ美容師で従姉がカリスマモデル?」
美玖「うん」
海人「しらない」
美玖「じゃあいきなりは怖いんじゃない?」
海人「一応行くお店には許可もらったしアパレルのモデルとかやるって条件で服タダだし大丈夫でしょ?」
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