ブラックペアン
□case8
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世良「いや〜。どうして?理由は?」
会議が終わると、すぐ花房さんに呼び出された
花房「ただただ手術を受けたくないって...」
僕の担当している皆川さんが手術を拒んでいるという。
世良「色々起こるんだな、病院って...はぁ〜いやぁ、どうしよう」
花房「...どうしましょう?」
不安げに僕を見上げる花房さん。とりあえず花房さんと一緒に皆川さんの病室へ向かう。
皆川「なんというか、手術をして助かったところで結局独り身ですし。これ以上生きたところでというか...」
窓の外を見ながら、心ここにあらずという様子の皆川さん。そんな皆川さんになんて声をかけてよいのか...悩んでいたところに、
『こんにちは、皆川さん。看護師の橘で...あれ?あなたは確か渡海先生についてる...世良先生でしたよね?』
世良「はい。皆川さんの担当をさせていただいています。よろしくお願いします。えっと...」
『あ、私の名前は橘美咲です。こちらこそよろしくお願いします。ところで今って大丈夫ですか?手術当日の患者さんのケアに来たんですけど、また後での方がいいですか?』
そう言って僕を見つめる橘さん。
世良「皆川さんが手術を受けたくないらしくて...皆川さん、これは幸運な事なんです。今も何百人もの患者さんが佐伯教授に手術をしてほしいと待っているんですよ」
皆川「そうですよね。でも、それが?というか...ダメよねぇ...」
─────────────────その直後
皆川「.......ウッ!」
世良「皆川さん!?皆川さんどうしました?大丈夫ですか?」
急にもがき、苦しみだした皆川さん。
予想だにしなかった出来事に、一瞬何が起こったのかと思考が停止した。