ブラックペアン

□case8
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花房「先生!指示をお願いします!先生!」

真っ白になってしまった頭に、花房さんの声が響く。橘さんの指示を仰ごうと振り返るが、そこに彼女の姿が見えない。

世良「えっ、橘さんは!?えっーと、ドパ、ド、ドパミンお願いします」

花房「はい!」

世良「それと渡海先生...いや、垣谷先生をお願いします!」

宮元「垣谷先生は今外来中です!」

応援に駆け付けた宮元さんにピシャリと言われ、担当の先生を呼んでもらおうとすると¨あなたでしょ!?¨と、もっともな言葉を返される。こんな時のシミュレーションは何度もしたはずなのに!いざという時に、何もできない自分が情けない。

世良「そ、挿管!挿管を!」

そう言うと同時に、先程姿を消した橘さんが救急カートを持って現れた。

『すみません。そこを通して下さい』

無駄のない手つきで気道確保する橘さん。そしてオロオロする僕に彼女はニッコリと笑い、

『大丈夫ですよ、世良先生。入りました。アンビュー下さい、カフも固定して下さい』

いとも簡単に挿管した橘さんは、後から現れた渡海先生に現状を説明する。

『猫ちゃんにエコー持ってきてもらうようお願いしてます』

直後、エコーを持って現れた猫田さん。

渡海「エコー頂戴。消毒!あとドレープも」

エコーを見ながら、迷いなく穿刺した渡海先生

『世良先生、アンビュー代わって下さい』

世良「あ、はい!」

橘さんからアンビューを受け取る。

『術式変わっちゃいますね。美和ちゃん、教授に報告してきて下さい』

花房「はい!」

渡海「ありがとう、美咲」

なんて的確な指示なんだ。

渡海「造影CTオーダーしといて」

猫田「はい」

やっぱり渡海先生も、橘さんも...凄い

でも僕は違和感を覚えた。
どうして橘さんは看護師なのにあそこまで出来るんだろうと...
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