迷彩に想い馳せ 、今宵も眠る

□出逢い(仮)
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家に着き、まず着替えるかぁと考えながら部屋に入り…

そのまま閉めた。

何でか知らんけど部屋に迷彩柄の何かが転がってた。

あんなもの私、持ってなかったよね?
そもそも迷彩なんて私には似合わない事くらい分かってるし、私自身買ったことがない。

あっ、でも推しキャラは別だよ。
推しが着るのはもうどんな物でも素晴らしい!

特に戦国basaraの佐助なんて普通に着てても凄くカッコ良くて本当羨ましい。

…あぁ、考えてたらやりたくなって来たわ、BASARA!
よし、もう迷彩なんて気にせずBASARAやるか。

そう意気込み、もう一度ドアを開けた。

そうしたら

「…!」

気付いたら、押し倒されていた。

「なあ、正直に答えて貰える?俺様をどこに連れて来た訳?あと、旦那に手出してないよね?」

あれ、迷彩のポンチョみたいなの着て、銀色のあれで髪の毛オールバックにしてる人が私の上に…

…………

「も、もぎょぺいやぁぁぁぁ!」

さ、さ、さ、さ、さす、さ、さす、佐助?
モノホンのガチ佐助!?
ヤバイヤバイ、これ絶対ヤバイって!
思わず変な声出ちゃったけどそれどころじゃない。

綺麗な茶髪にシュッとした鼻、肌の色なんか私より白いし、そのお陰で忍化粧がより映えてるし…
あっ、もう私眼福で死ねるわ。
だって、この世で顔が良いって言われる人をどんなに集めたところで敵わないでしょ、このイケメン具合には。
というかもう一生分の幸せ、これで全部使いきっちゃったんじゃない?
別に構わないけど。
だってもう幸せすぎるんだもん!


「あのさぁ、何にやけてんのか知らないけど、さっさと答えてくれない?出来れば女の子に暴力は振るいたくなかったけど、口割らないんならそれ相応の事しても文句言わないでね」

その言葉の後、すぐ横の床に黒く光る何かが突き刺さる。

「…ぅあ!」

首の辺りに激痛が走る。
床に刺さってるのは佐助がいつも持ってる大型手裏剣、そして痛みと共に、首元が嫌でもドクドクいってると分かるくらいだから、多分首の皮膚が切られたのだろう。

そして初めて冷静になって周りを見ると、いつの間にか私の両手首が片手だけで捕まえられて、佐助特有の口元だけの笑顔を浮かべていた。

「あれ、痛かった?ごめんね〜、でも急所は外してあげたんだから答えられるでしょ?さっさと言わないと次は君の喉、本当に刺しちゃうからね」


場に似合わぬ明るい声が響く。

怖いと思ってしまった。
ゲームの画面越しではなく面と向かい合った上で忍の佐助を見るのは全然違う。
でも心の隅で佐助らしいななんて思ってしまう自分が少しだけ居て、正直驚いている。
職業故だかなんだかで、人間観察ばっかの生活だからしょうがないんだけど、殺されそうになってる時にも人間観察って、どう考えても馬鹿でしょ…
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