A3!
□克服のSUMMER!
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乃愛side
今日は土曜日!
夏組のみんなが寮に来る日で私も超久しぶりに仕事がない!!
最初に来たのが一成で早速寮の写真をインステに載せている。
「お、ちょっぱやで、500ええな!ついた!」
『おー!カズのインステフォロワーめっちゃいる!!すげーね!!』
「のあのあもインステやってる?
良かったらフォローしてよ!俺もするからさ!」
『いいよー!!』
お互いにインステをフォローするとカズからマジ!?って声が上がる。
「のあのあフォロワー数オレより断然えぐいじゃん!マジやばたん!!」
私は〇〇専用垢。等といった区分けをあまりしないので全部そこに集約される。のでフォロワーもそこそこいるのだ!!
どやぁ!!と胸を張ってると"ドヤ顔きゃわたん!"と写真を撮られた。
おっと!仕事が早すぎるぜ!!
カズとインステ談義に花を咲かせている間に天馬たちも寮に着いていた。
「寮ってこんなに広いんだね。」
「まあ、二十人は住めるみたいだし。」
「……オレの家より狭い。」
『みんなやほやほー!!』
ようこそー!そしてよろしくー!!とみんなの所までダッシュして言うと幸がすっごい微妙そうな顔で
「このロリ詐欺モンスターホントにもうすぐ成人するの?
ホントは俺や向坂と歳近いんじゃないの??」
『いきなり毒舌!!!』
正真正銘19歳だよ!!!
ね!?と天馬に視線を送るが……。
「いや、付き合いは長いが正直オレも時々思ってる。」
『裏切り者ー!!!』
「本人は全く気づいてないが、撮影スタッフとか役者とかがホントは小学生なのか中学生なのかって暇なとき議論されてるしな。」
『もはや中学生とも思われてなかった説!!!』←
中学生は身長的に仕方ないとして小学生て!!!
私の何処が小学生なのさ!!こんなにオシャレで仕事バリバリな小学生いないよ!!?
しかも真剣にじゃなくて暇つぶし!?
せめて真剣に議論してくれ!!!
うわーん!と泣き真似をしていると
部屋割りするから集まって。という監督の声。
監督も地味に私の扱い心得てきてるとこあるよね←
で、基本的2人部屋になることをみんなに伝えると……
「オレは一人部屋以外ありえない。」
「二人部屋っつったでしょ。耳まで遠いわけ?」
やっぱり出た!オレ様何様天馬様!!
そしてやっぱり幸が突っかかる。
この2人案外いいコンビだよね!特に年下で天馬に食ってかかるとか新鮮だから見てて面白い!個人的に!!
そんなことをしてる間にカズと椋の同室が決まり、天馬がまだダダを捏ねてたからとりあえず幸と天馬がそれぞれ一人部屋で追加のメンバーが来次第どちらの同室にするということで纏まったんだけど……
次はどの部屋になるかなんだけど……
「オレ203号室。」
「なんで勝手に決めるの。」
もー!さすがに無双しすぎ!!
『天馬ワガママ、めっ!!
そんなにワガママいうなら私と同室にしちゃうぞ!!!』
「は!?」
「ちょ!!乃愛ちゃん!?」
「のあのあダイターン!!」
私の発言にみんなザワっとする。
「なななななんで乃愛さんと同室なんだよ……!!?」
『天馬がワガママだからだよ!!
私の部屋ほぼ音響部屋だから寝るとこ狭いし私が曲作ってたら煩くて夜中寝れないよ!!』
お布団1個しかないし!!さぞ嫌だろう!!!
ドヤ顔で胸を張ると顔を真っ赤にして動揺している天馬。およ?"そんなの耐えられるか!!"と大人しくなると思ったのに。
「ふ、布団一つ…部屋狭い……。」
「何想像してんのさ、ムッツリ役者。」
「べ、べべ、べ、別になにも想像なんてしてない!変なあだ名増やすな!!」
顔が茹でダコみたいになってる天馬。
はっ!そうか天馬は純情少年だからこんな私でも恥ずかしくなっちゃうんだ!
天馬はいつまで経っても愛いやつよのお〜!!
ニヤニヤして2人の喧嘩を聞いていると203号室ですか……。とちょっと気まずげな支配人。
いきなり現れたからビックリして肩を震わせた監督。可愛い!←
「203号室は、まずいですね……。」
『まずい?どゆこと?』
支配人の話だとこのMANKAIカンパニーには"劇団七不思議"というものが存在して203号室では本来誰もいないはずなのに謎の声が聞こえてくるらしい。
怖くて近寄らなかったらしく掃除もしていないらしい。
それは別の意味で開けるの怖いね!!!
「おい、部屋代われ瑠璃川……。」
「はあ?まさか怖いの?」
「そんなこと言ってないだろ!」
「自分で203号室がいいって言ったんでしょ。」
形勢逆転、と言わんばかりにニヤニヤと天馬に言ってのける幸。
この子ほんと将来大物になるね!!
そう、天馬は私にも隠し通せてるつもりだけど実は怖いもの全般大の苦手だ。
ホラー番組の出演とかも全部NG出てるし(笑)
結局全員で203号室に行ってみようということになったんだけど……
「なにか聞こえる?」
「うーん、何も。」
『…………。』
いや、私は聴覚めっちゃいいから…
『…誰かいる。』
「ひっ!!」
天馬、今、ひっ!!って聞こえたからね。今度からかってやろう(笑)
でも今はそれより…
「"……かく。"」
???
「".……かーく"」
「聞こえた……!!」
今度はみんな聞こえたらしく何人か顔色がみるみる青ざめていく。
カズと私は完全に楽しんでるけど←
「いわくつき部屋来た!写真撮ってインステあげよっと!」
『なにか写ったら呪われるらしいから見て楽しむに止めとこうぜ!!』
「それマジ!?じゃあいわくつき部屋探検隊レッツゴー!」
『ゴー!!』
カズと私が先導して行くと天馬が慌てて着いてきて、その後ろから呆れた様子の幸とちょっとビビってる監督と椋も着いてくる。
ホントに幽霊なら初めて見る!わくわく!!
203号室について…
『よっしゃあ!!開けよう!!』
「ちょっと待って!さすがに乃愛ちゃん男前すぎ!!」
「ほ、ほら!ずっと開かずの間ですし……。」
監督と支配人の待ったがかかり、えー!と残念そうに声を上げる。
『でもこのままだと使えないよ?』
「私もそれは思うけど不審者かもしれないし乃愛ちゃんが先陣切るのはダメ!」
『私強いよ!!』
「何を根拠に!?」
胸を張ってドヤ顔すると監督からツッコミを頂く。監督のツッコミ初めてだ!!
みんなも疑わしそうな視線を向ける中、天馬がいや、と声を上げる。
「この人護身術の類は極めてるからそこらの男よりは格段に強いぞ。」
「うそ!?」
『どやあ!!』
そう。昔から何かと不審者に声をかけられることが多かったのである人に護身術を叩き込まれた。
お菓子をあげるから、とか欲しいもの買ってあげるから、とかなんかいっぱい来るんだよね!!
1回"じゃあ20万のギター買って!"って試しに言ったらギョッとしてて面白かった!!
それをみんなに言うとみんな微妙そうな顔で……
「それ完全に小学生に対するそれじゃん。」
「のあのあ、かわいいからねー。」
「えっと…乃愛さんも大変なんですね。」
天馬を除いた夏組のちょっとアレな視線に、むー!と頬をふくらませる。
『小学生じゃないもん!』
「いや、もう全てが小学生だよ。」←
幸がいじわるだー!!
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