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□お嬢さん
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さくさんリクエストありがとうございます!おたけ書くのははじめてです(笑)。どしどしリクエストしてくださいね!










【唯side】






久美「ちょっと、また寝るの?」


『ん、ねむい』





収録前、せっせと荷物を机に置く。
久美からの質問は眠過ぎて、
へにょへにょした声で返事してしまった。
今日の楽屋はいつもとちがってソファがついていて、寝やすそう。
パイプ椅子でできた即席の長椅子よりはいいだろ、たぶん。



久美「なんでそんな眠いわけ?」


『丹生ちゃんとかとゲームしてた』


久美「…ほどほどにしなよ(笑)」




「唯らしいね」って久美がはにかむからなんだか安心してもっと眠くなった。
実際に横になってみると期待がふくらむソファは意外と小さくて、私のふくらはぎから下がはみ出る。



久美「あんた、脚長いから(笑)」


『んなわけ』






私の脚が長いんじゃなくて、ソファが小さいんですぅ。
ソファとかからはみ出るってさ、
なんか思ってたより風があたって冷たくなるじゃん?
あれが物凄くやなんだよね。
そしたら、久美がソファに座ってきてそれに被さるように脚を伸ばすと丁度久美の膝が段差を作って脚がはみ出なくてすむようになった。





『やるじゃん(笑)』


久美「お役に立てましたか(笑)」




久美とは仲良しでまぁまぁこういうこともするけど、今日の久美はいつもより少しだけテンションが高い。
ていうか、楽屋で遊び相手がいないからって私に構ってもらおうなんて甘いぞ。私はいまから眠るんだからな(笑)



そしたら、久美が頬をつついてきて。


久美「このわたくしの膝は頭にじゃなくていいんですかい?(笑)」


『それはやばい』


久美「あ、女王様がお怒りになりますか?」


『プリンセスにしとけ(笑)』




久美から「膝枕」を提案されたけど、今回ばかりは丁重にお断りさせていただきます。
なんせ、嫉妬深い彼女ですから。
楽屋で私といるのは恥ずかしいらしくて、一切話してもくれない。
だけど、私が楽屋で誰かといるのも正直気に食わないらしい。
ほんと、女王様だよね(笑)。





久美「んじゃあさ唯、」


『ん?』




「これだけ、これだけ答えて」って言われたから、少しだけ体を起こすと久美が私に耳打ちした。




久美「あのイチャイチャみたくなくて眠いんじゃないの?」





あの、イチャイチャというのは彩花と京子ですね?久美さん。
そう、私が楽屋で誰かとひっついてるのは嫌らしいんだけど。
当の本人は、きょーこきょーこいって、ニコニコしてるよ。
京子に飽きたら、芽依、陽菜・・・。
まぁまぁ、そんなことどーでもいいじゃん。
そんなこと気にする私じゃないよ、
けど、少しだけ
嫌だなってだけだよ。
あ、それが気にしてるって言うのか。
でも今は気にしてないことにする。







『…そんなんじゃないよ。おやすみ』


久美「はいはい、おやすみ(笑)」







ニヤニヤしてる久美のこと、少し気に入らないけど、
まぁ、今日のところは目をつぶって、
大人しく寝てやる。
別にそんなんで眠いのを演じてるんじゃなくて、
本当に丹生ちゃんとゲームしてただけだから、深夜までしてただけだから。




ただ、寝てると誰も話しかけてこないし
誰の声も聞こえないし
誰かを見ることもないから、
睡魔に任せて、目を閉じるだけだよ。
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