book
□原石
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※何期生か指定がなかったので2期生設定で行きます
【唯side】
小坂「唯〜」
『なに〜』
今日の菜緒はご機嫌だなぁ。
いい事でもあったのかな?
声がいつもより丸いんだけど(笑)私が作ったお昼が美味しかったのかな?
小坂「もう、唯可愛い、好き」
『!?…急にどうした』
小坂「言いたくなった」
そっかそっか。って返したけど、私にとっては一大事。
な、菜緒がデレてる。
やばい、なんか急に言われるとはずい。
告白も私からだし、いつも好きっていうのは私だし。
圧倒的に私のほうが菜緒に可愛いって言ったほうが多いし。
菜緒が私に可愛いって言うのは少しレア。
いや、好きっていうほうがレア。
ユニエアでいうSSR。
…しかもサイン付き。
小坂「ギューっ」
『はいはい、ギューっ』
寮の部屋のソファーに座っていたのに、もっと距離を近づけるかのようにぴったりと抱きつくと、菜緒は嬉しそうに笑った。
小坂「落ち着くね」
『そ、そうだね』
私は急な菜緒のデレに心臓バックバクですけどね。
君のせいですからね。
誰から教わったんだ、そんな技。
いつも私が菜緒の頬を赤くしてニヤニヤしてるのがレギュラーじゃないか。
逆になるなんて聞いてない。
…いや別に悪くなんてないけど。
小坂「ん〜、唯好き」
『私も菜緒のこと好きだよ』
耳元でいつもより丸い声で、そんな甘ったるい言葉並べてさ。
こんな平日の14時過ぎに。
雰囲気ないよ、菜緒。
私がこんなに菜緒のこと好きって分かってて、こんな事する菜緒はずるい。
小坂「ふふっ、顔真っ赤」
『菜緒のせいでしょ』
可愛いねーってまた言って。
私を抱きしめる力を強くする菜緒が愛おしくて私も負けじと力を強くした。
『どうしたの?』
小坂「何が〜?」
『急に好きとか』
小坂「なんで好きな人に好きって言っちゃいけないの?」
はぁぁぁぁぁ…。
なんか今日の菜緒ホント変になっちゃったみたい。
オフだからって緩みすぎだぞほんと。
嬉しいけど、そういうことじゃない。
私が私でなくなる。
おかしくなるから。
私の気持ちを落とすのも上げるのも1番菜緒が上手いってこと忘れるな菜緒。
小坂「また、真っ赤じゃん」
『今日の菜緒生意気だ』
小坂「同期だからいいんですぅ。恋人だからいいんですぅ」
『甘々な菜緒も好きだけどさ』
小坂「『私だけにしてね』でしょ」
「知ってる〜」って。
…うわぁ、先に言われた。
私は恥ずかしくなりすぎて菜緒に顔見られたくなくて、菜緒の肩に自分の顔をこれでもかとグリグリした。
菜緒ってこんな1面があったのか…。
もしかして、私より1枚上手…?
小坂「こぉらっ、こっちみて?」
こっちみてって言ったけど無視してたら、私の頬を両手で挟んで向き合わせる。そして、唇にちゅっとしたとおもったら、「んふふふ〜」って。
『ばーか』
小坂「あら、生意気?」
正直、私のライフはゼロなんですけど。
完敗です、菜緒さん。
『好きにして』
小坂「そんなこと言うと、困るのは唯じゃない?」
『…ちょっ、なお』
小坂「ん〜」
好きにしてってそういう意味じゃないのに。
私の頬、唇、おでこ…
至る所にキスしては私の目をみる菜緒。
その顔がまた悪くて、すごくいやだ。
小坂「何その顔(笑)」
『不服』
小坂「いつもしてるほうだもんね」
わかってるならやめてよって言えればいいけど、あいにくそんな間もくれずに菜緒はキスを続ける。
『菜緒もうちゅーやだ』
小坂「ん?…あぁ、ごめんごめん」
『っ!?そういうことじゃないっ!』
「ごめんごめん」って謝る菜緒の顔はいたずらっぽくて。してやったりみたいな顔してる。
今にも服のボタンをとろうとしてるし、完全にスイッチが入った顔。
菜緒はいつの間にか私の両手を掴んでて、逃げられないし、かと言ってこの状況を乗り越えられる策はない。
『変態っ!』
小坂「今の状況考えてからいってな?唯」
♢ ♢ ♢
金村「どうだったー菜緒」
小坂「…やばかった、可愛かった」
金村「作戦成功だね」
小坂「ちょー顔赤かったし、好きっていうたび体ビクってしてて、幼い子供みたいだった」
金村「おぉ、そりゃよかったよ(笑)」
小坂「あと声可愛かったな」
金村「え、なんて?」
小坂「え、なんでもない(笑)」
あぶないところまで言うところだった菜緒ちゃんでした。
end