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□悪さかな
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【唯side】
小坂「手邪魔、唯」
『ゎ、、、ちょ…ちょっと////』
今日の菜緒さん、すっごく怒ってる。
歌番組の収録後であとは帰るだけだけど皆さんよっぽど楽しかったのか熱を持ってなかなか帰ろうとしてくれない。
私は3期生だから、ある程度みなさんが帰ってくれないと帰らない。
だって、どんなに仲がよくてもそれなりの礼儀が大事。
そして、私の恋人の菜緒さんはさっきから私を膝の上に乗せて下ろしてくれない。
大きい目を細めて、少し私を触る手が荒い。
声も少し低くて。
怖くはないけど、なんで怒ってるのかなって。
それよりも、寮の部屋でしてるみたいに私に触るから、私はハラハラしちゃって。
『ちょっ、、ちょっと待って菜緒さん////』
小坂「待たない」
私が膝の上を降りようとしても両手で私の腰を撫でて制する。
…体は私のほうがだいぶ小さいし、力も弱いから、菜緒さんに勝てたことがない。
だけど、この状況は逃げないとまずい気がする。
『んぅぅ、、』
小坂「先週もしたじゃん、力抜いてごらん。唯』
いつもそうやってキスすれば私がだまると思って…。
なんか今日の菜緒さん悪い顔…。
小坂「一生懸命で可愛い。」
『〜っ////』
小坂「なんでこんな事されてるかわかる?」
質問をされて、首を振れば「んじゃあ頑張れ」ってまたキスする菜緒さん。
もうキスなんてしないで話を聞きたいと思って顔を菜緒さんから離そうとすると、膝から落ちそうになって。
でも、菜緒さんは片手で受け止めてくれて。
やめてくれるかなとおもったら、今度は頭の後ろを片手で抑えて逃げられなくされた。
『菜緒さんっ、見られたらまずいですって』
小坂「大丈夫唯、可愛いもん」
ほんと、バカ。
でも菜緒さんやっぱり、今日すごく怒ってるなぁ。
いつもは絶対こんな事しないし、楽屋でキスするなんて1回もないのに…。
『菜緒さんっ、、、な、、なんで?』
小坂「だめ、唯が悪いからノーヒント」
うわぁ、絶対楽しんでる。
こうやって、いつも私は菜緒さんの手のひらの上。
私の反応をクスクス笑って。
大好きだけど、そんな菜緒さんは嫌い。
…言いすぎた、そんな菜緒さんも好き。
小坂「早くしないと、、、ね?」
ね?っていうからなにかと思って目を見て傾げると、器用に入ってくる手。
どこにって?…言わないよバカ。
されてるほうはほんとにはずかしいんだからね。
『わ、わかった、わかりましたっ////』
小坂「はやく」
『今日美穂さんを褒めた…ですか?』
小坂「…ふふっ、、正解」
「よくわかったね〜」って頭を撫でてくる菜緒さん。
…全然わからなかった。
たまに菜緒さんの沸点がわからなくなる。
小坂「あんなに褒めることないよね、美穂のでこだし」
『で、でも先輩のちょっとした変化に気づくのも私たちですし、、可愛かったら可愛いっていってあげても』
小坂「…ふーん、唯は今自分がどんな状況かわかっていってるの?(笑)」
『んっ/////ぁ、、、やだぁ、、』
今度は耳に息をかけてきて、私の腰を自分のほうに抱き寄せて、いつも夜するみたいに深いちゅーをしてくる。
頭を抑えられてても、やだやだって首を左右にふると、「今日はだめだよ」って許してくれなさそうで。
小坂「よしっ、もうみんないなくなったし、おもいっきりできるね」
『えぇ!?…絶対見られたじゃないですか〜!/////』
小坂「いいじゃん、気にすることないよ」
加藤「あぁ!忘れ物取りに来たけど、誰かいるかなっ!」
久美「いるなら、誰かとってほしいなっ!」
小坂「あ…、久美さんと史帆さんきちゃったね(笑)」
2人が楽屋の外で大きい声で話してる。
…いや絶対私たちを早く帰したいだけなんだと思うんだけど。
だって机の上なんもないし、見た感じ。
小坂「…夜しよっか?」
って菜緒さんが懲りずにきくから、楽屋の羞恥から逃れられるからしてもいいかなって思ったけど、私からうんっていうのもなんだか照れくさくて…。
小坂「あ、(笑)唯もしかして、その気になった?(笑)」
『…菜緒さんのバカっ!/////』
やっぱり、今日の菜緒さんは少し変。
だけど、私が1番大好きでこの人だけは譲りたくないなって思う人だから。
『あの、、、、あとで部屋行きます…!』
小坂「わかった、待ってる」
今日はたぶん、長そうです
♢ ♢ ♢
松田「…菜緒」
小坂「ん?」
松田「いじめるのもほどほどにね…(笑)」
小坂「…!?」
松田「私はまじまじとみたよ(笑)菜緒もあんな顔するんだね」
小坂「…気をつけるね」