book
□泣くなよ。
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【唯side】
東村「唯…!」
『あ、芽依』
久美に「リハーサル室にスタッフさんが呼んでたからいってきな」っていわれたからドアをあければ、そこには椅子に座る芽依1人。
ひどいなぁ、久美も。
芽依と2人なら、言ってくれればいいのに。
私の気持ち知っててひどいよ。
しっかし、さっきの収録。
ひっどいなみんな(笑)
言いたい放題のことしてくれるよね。
…特に富田と好花。
あいつらは楽屋でこちょこちょの刑に処さねば。
…ていうか、そんなにあからさまだったかな。芽依のこと。
かくしてたつもりだったんだけどなー、
東村「すわらへんの?立ってたらへんやで(笑)」
「あ、そか(笑)」
いろいろ考えてたらずっと立ってたらままみたいだ。
やっぱり、芽依といるとそれなりに意識しちゃって自分が自分じゃなくなる。
けど、相手の芽依は私のことメンバーとしか思ってないし。
もしかしたら、優しくするのも迷惑なのかもしれないなぁ。
『いや〜、スタッフさんこないね〜』
メンバー同士なのに、変に沈黙なのも変かなと思って、芽依に話しかける。
そんな芽依は机に手を置いて、手いじり。
かとおもいきや、私の目を見つめてきて胸が締め付けられる。
東村「…………唯」
『ん?なぁに〜』
せっかく、話しかけてくれたから芽依のほうをむいてニコニコする。
あぁ、久しぶりに芽依の顔みれた。
最近は私がなんか顔あわせられなかったんだよなぁ。
好きってつらい。
顔みたいし、話したいのに…。
東村「………スタッフさん、、こないで」
『うん?』
東村「芽依話したいことあって…唯と」
話したいことかぁ、なんだろ。
芽依からなんてめずらしいな。
彼女はとってもシャイだから、芽依が話すのを気長に待つ。
その間さえ、愛おしいぐらいだからほんと自分は芽依に弱いなって。
東村「あんなぁ…芽依なぁ」
『うん』
東村「唯のこと好き…みたい」
『…!?』
好きみたい。
え、え、え。
芽依が
私のこと好き…?
『それって…』
東村「……………………………(コクン)」
顔を赤く染めて下を俯く彼女が尊い。
私はそんな芽依がかわいくて抱きしめた。
東村「…唯っ、」
『かわいすぎ』
東村「っそんなことないで」
『あるよ、メンバーのなかで1番かわいいよ芽依が』
東村「そんなはずいこと、いわんといて、」
『芽依』
東村「…なに、?」
『私、芽依のこと好きでよかった、諦めなくてよかった』
その後『付き合うってことでいい?』ってきくと「うん」ってうなずくから、頭をなでた。
それが恥ずかしいのか、恥ずかしそうに笑う芽依はたぶん今まで見た芽依のなかで1番可愛い。
あまりにも可愛いから抱きしめる腕に力を入れると、芽依も力を入れるから。
あぁ、やっと芽依の特別になれたかなって口元が緩みきってしまう。
『んじゃあ楽屋いこっか』
東村「ん、」
♢ ♢ ♢
加藤「ヒューヒュー」
久美「よっ!バカップル!」
あぁあぁ、あいつら。
ここぞとばかりに群がりやがって(笑)。
『とりあえず、史帆と久美はお説教だから(笑)』
久美「いいのかぁーもう話聞かねぇぞぉ」
『ちょ、久美』
金村「え、唯さんって誰かに相談するんですね。1人で決めて行動しちゃうタイプだと思ってました(笑)」
『久美、私のことこれ以上ばらさないで』
そしたら、となりにいた芽依が弱々しく私の裾を掴むから芽依の口元に耳をやる。
東村「唯のことは芽依がたくさん知れればええから…、だからあんまりみんなにばらさんといて、な」
顔から湯気でるんじゃないってぐらい顔赤くするぐらいなら、2人の時にでいいから言ってくれればいいのに…。
…かわいすぎてヤバい。
久美「おいおい、2人そろって顔あかいぞ!みんな唯が顔赤いのレアだからみとけみとけーっ!」
久美うるさいわ。(笑)
ったく、こういうときにかぎってみんな話聞いてんだよなぁ。
やっべ顔かくそとおもったら目の前に小さい手があって、誰のかとおもったら芽依ので。
東村「…みちゃ、、ダメ、やで」
っていうもんだからあのバカが
加藤「きゃー!めいめいの嫉妬だぁぁぁぁ」
あー、もーしらね。(笑)