優しい花畑
□眠れない夜に
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サンズと共に、家に入るルナとフラウィー。
そこには、地上の一軒家と全く変わらない生活風景が広がっていた。
テレビやソファー、キッチンの設備は至って普通にあった。
「お邪魔します…」
「おぅ。そこのソファーに座って兄弟を待とうぜ」
ソファーに座ると、中々の座り心地で僅かにリラックスできた。
「なんか、モンスター達も人間と変わらない生活を送ってるなんて不思議だね」
「さっきも話したが、元々モンスター達はニンゲンと共存してたんだ。そんな変わらねぇだろうよ。まぁ、変わらないのは『考える』知能があるからだろうな」
確かにそうだ。
モンスターといえど、人間と同じように思考能力があり、それ故に生活をしやすいようにと工夫している。
彼らは動物とは違うのだ。
「待たせたなニンゲン!!!!さぁ、このパスタをしっかり食え!!」
パピルスがルナの前にパスタを差し出した。
見た目はけっこう美味しそうだ。
(……お腹、空いてないんだけどなぁ)
ほんの数時間前にサンズのホットドッグや、grillbysで食べたせいで今は全く腹を空かせていない。
とはいえ、パピルスのおもてなしを断るわけにもいかない。
このくらいの量ならなんとかなるかと、ルナは一口食べる。
その瞬間……ルナの顔は引き攣った。
(…………ど、どうしよう……。これ……食べれる気がしない……)
見た目に反して、パスタの味が酷く固まった。
「どうだニンゲン!この俺様が作ったパスタは美味いか?」
「う、うん…………」
さすがに不味いとは言えず、引き攣ったままなんとか笑顔を作る。
パピルスはそれに気づかず、美味いと言われたことで上機嫌になった。
「ならばいくらでも食え!まだまだたくさんあるのだ!」
(そ、そんなぁ……)
この皿にある分だけでも処理するのが困難なのに……と、心で嘆くルナ。
と、ここでサンズが助け舟を出す。
「あー、boss。実はコイツちょっと前にけっこうメシ食っちまってるから、そんなに食えねぇよ。事前に誘ってりゃ腹空かせておいたんだが」
「なんだと?!……まぁ、それは確かだな。次はしっかり腹を空かせてこい!いいな?」
「わ、分かった……。パピルス君、手料理振舞ってくれてありがとうね?」
ルナがお礼を言うと、パピルスはまた上機嫌になった。
その姿を見て、サンズの言う通り悪いモンスターではないんだなと感じた。