優しい花畑

□眠れない夜に
1ページ/9ページ

サンズと共に、家に入るルナとフラウィー。
そこには、地上の一軒家と全く変わらない生活風景が広がっていた。


テレビやソファー、キッチンの設備は至って普通にあった。


「お邪魔します…」


「おぅ。そこのソファーに座って兄弟を待とうぜ」


ソファーに座ると、中々の座り心地で僅かにリラックスできた。


「なんか、モンスター達も人間と変わらない生活を送ってるなんて不思議だね」


「さっきも話したが、元々モンスター達はニンゲンと共存してたんだ。そんな変わらねぇだろうよ。まぁ、変わらないのは『考える』知能があるからだろうな」


確かにそうだ。
モンスターといえど、人間と同じように思考能力があり、それ故に生活をしやすいようにと工夫している。


彼らは動物とは違うのだ。



「待たせたなニンゲン!!!!さぁ、このパスタをしっかり食え!!」



パピルスがルナの前にパスタを差し出した。
見た目はけっこう美味しそうだ。


(……お腹、空いてないんだけどなぁ)


ほんの数時間前にサンズのホットドッグや、grillbysで食べたせいで今は全く腹を空かせていない。
とはいえ、パピルスのおもてなしを断るわけにもいかない。


このくらいの量ならなんとかなるかと、ルナは一口食べる。


その瞬間……ルナの顔は引き攣った。


(…………ど、どうしよう……。これ……食べれる気がしない……)



見た目に反して、パスタの味が酷く固まった。


「どうだニンゲン!この俺様が作ったパスタは美味いか?」


「う、うん…………」


さすがに不味いとは言えず、引き攣ったままなんとか笑顔を作る。
パピルスはそれに気づかず、美味いと言われたことで上機嫌になった。


「ならばいくらでも食え!まだまだたくさんあるのだ!」


(そ、そんなぁ……)


この皿にある分だけでも処理するのが困難なのに……と、心で嘆くルナ。
と、ここでサンズが助け舟を出す。


「あー、boss。実はコイツちょっと前にけっこうメシ食っちまってるから、そんなに食えねぇよ。事前に誘ってりゃ腹空かせておいたんだが」


「なんだと?!……まぁ、それは確かだな。次はしっかり腹を空かせてこい!いいな?」


「わ、分かった……。パピルス君、手料理振舞ってくれてありがとうね?」


ルナがお礼を言うと、パピルスはまた上機嫌になった。


その姿を見て、サンズの言う通り悪いモンスターではないんだなと感じた。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ