先生 sayaka side

□6、まさかの事実
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そう思ってはいたけど、まさかあの時よりも悪い状況で会うなんて。
この2年ちょっとの間に正直、気持ちを忘れるために男女問わず関係を持ったりしてみた。けれど感じるのは自分に対する醜さと汚れだけで心は満たされへんし、ゆーりちゃんへの気持ちは消えへんかった。
あの時は教育実習生と生徒やった。けど今は先生と生徒や。絶対あかんな。
それに、ゆーりちゃんに良い先生になると言ってしまったから。


始業式が終わり今日はすぐに放課後や。
体育教官室でやらなくてはいけない仕事をしてると、
コンコン
「『失礼します。2年3組の井尻と太田です。山本彩先生に用があってきました。入ってもよろしいですか?』」

ん?え?
でも、断る理由はないか。
「どーぞーー」

「急にきてすみません。私たち彩先生のこと知ってるんですよ!中学2年生のときに教育実習生としてきましたよね?」
気づいとったけどここで確信がついた。

「あ、やっぱりそうやったんか!なんかみたことある名前やなって思っててん。あの時の子達か〜!なんか大人になったな?」

「彩先生こそ髪の毛伸びてますます綺麗になってますよ?」
ゆーりちゃん全然話さへんな。
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