短編

□棒術
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西岐についてのはいいが、太公望が何処かへ行ってしまって2日目。
雷震子は西岐城の庭で棍棒を巧みに操っていた。雷震子の師である雲中子は見えないがあれで武道家でかなり強いのだ。
雷震子もその師に教わり、自分の背丈よりも倍の長さの特注な棍棒を軽々と振り回している。

「青が出ますな。雷震子様」
「!…武成王さん」
「どうぞ飛虎とお呼びください」
「あ、あぁ…だったら俺も敬語要らねぇよ」
「そういうわけにはいきません!あなた様は西伯侯姫昌殿の子なのですから」
「…でも…俺は養子だ…それに…堅苦しいの苦手なんだ。だから、頼む!」

敬語を使う飛虎に雷震子は頭を下げてお願いすると飛虎も苦笑しながら

「わかった。雷震子」
「サンキューな」
「いや。こっちこそ悪い。姫昌殿から雷震子の好きなようにと言われていてな」
「…へへ」
「話は変わりますが…雷震子は棒術ができるんですね」
「あぁ、俺の師匠が得意でな」

と言いながら雷震子は自分の棍棒を飛虎に見せる。特注な棍棒。本来棒術で使う棍棒は自分の背丈に合った物を使わないと扱えないが、彼は自分の背丈の倍の長さの棍棒を扱っている。それは彼が飛ぶことができる。からだろう。
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