長編

□殷の太師・聞仲
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「呂雄よ」

西岐城の廊下を歩いていた呂雄は後ろから声をかけられて歩みを止めそちらを向いた。そこには兄弟子の太公望、そしてこの国、周の王さま武王事姫発がいた。

「どうしたよ。兄弟子」
「これからの事でな話をしたいのだが…雷震子はどうしたのだ?」
「雷震子ならさっきまで天化達と手合わせしてたけど…」
「天化達ならさっき声かけたが…いなかったな」
「じゃ、部屋かな」

そう言いながら呂雄は歩みを進めた。太公望達も後ろから着いていく。

「話って、金鰲島の奴等?」
「うむ。金鰲島に関してはお主たちの方がよく知っておるからのう」
「…あ〜、そういうのは雷震子に聞いてくれ」
「分かっておる…元より、お前には期待しとらんよ」
「…どうゆうことだよ」
「呂雄は馬鹿じゃからのう」
「酷っ…まぁ、不定しないけど。話は聞いてるけど俺覚えきれないからな。俺よか雷震子の方が覚えてるし、自分でも調べてるはずだぜ」
「お主はもう少し頭を使わんか」
「やだ!考えるのが面倒!」
「……はぁ〜」
「こいつ…大丈夫か」
「まぁ…戦力であるのは確かだ」

そんな話をしてると雷震子の部屋についた。呂雄はノックもなしに入っていく。
太公望と発も一緒に入っていく。
雷震子の部屋は西岐に留まると聞いて仙界から運びこまれた植物や書物、薬品にグラスコ等の道具が置かれているが綺麗に整理されている。

「相変わらず綺麗だな」
「そりゃ、いつも散らかしっぱなしの雲中子さんの元にいたんだ、片付けはお手のものだぜ。さて…あいつは…」
 
 
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