頭文字D
□不安
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涼介さんが浮気をするだとか疑っている訳ではない
でも大学やチームで忙しい涼介さんと会える時間はとても少ない
私は大学の同級生やプロジェクトDのメンバー、弟の啓介さんが羨ましいのだと思う
私よりもずっと、ずっと長く涼介さんと過ごしているから
ようやく涼介さんと一緒に過ごせる休日
朝から準備をして涼介さん家に向かう
インターホンを鳴らし出てきた人物に目を疑ってしまった
涼介さん家から出てきたのは私の知らない女の子だったから
涼介さんは啓介さんと二人兄弟で妹やお姉さんがいるとは聞いていない
じゃあ……あの子は誰?
「どちら様?」
「あ、あの…涼介さんに用事があって……
で、でもお取込み中みたいなので…か、帰りますね
すみませんでした」
「あ、ちょっと待って……行っちゃった」
私はいたたまれなくなり、その場から立ち去った
啓介さんの彼女かもしれない。涼介さんには関係ない人かもしれない
でも、そんなことを考えられるだけの余裕なんて今の私には無かった。
「緒美、誰か来ていたのか?」
「涼兄ィ、なんか女の人が涼兄ィに用事があるって来たんだけど
緒美の顔見たら帰っちゃった「」
「まさか……まろんか?」
。