頭文字D

□Trick or Treat
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Trick or Treat



『涼介さん!!
とりっく おあ とりーと!!』


「…まろん?急にどうしたんだ?」


『涼介さん、今日はハロウィンです
お菓子ください!!』





ハロウィン当日
ちょうど休日ともあって高橋家にお邪魔していた。

涼介さんは何気にこういう行事ごとには疎い
もしお菓子がなくても“いたずら”として
あわよくば高級なゴ●ィバのチョコなんかを頂こうかと期待して
涼介さんにおねだりしてみた





『涼介さん?お菓子あるんですか?
無ければいたずらですよ?』


「その前に、まろん?
その格好はなんだ?」


『なにって、セーラー服ですよ?
ハロウィンって言ったら仮装じゃないですか、啓介さんに聞いたら“お前は童顔だからこれ着てみろ”って言ってました』


「………」







なにやら涼介さんは黙りこくってしまいました
不安になって涼介さんに近づくと急に腕を掴まれ
椅子に腰かけている涼介さんの膝の上に乗せられた






「まろん、生憎お菓子はないんだ」


『じゃあ、いたずらですね!!
いたずらとして…ゴ●ィバのチョコ買ってください』


「そんなもので良いのか?」


『はい!!チョコが食べたいです』





涼介さんは次の休みに買いに行こうと言ってくれた
私は嬉しくなってすぐにケータイで次に会える日を確認してみる




だから気が付かなかった
涼介さんが黒い笑みを浮かべていることに…








「俺からもTrick or Treatだ」


『……あ!!
私、仮装に夢中でお菓子用意してませんでした』


「俺は甘いものは苦手だからな…
お菓子はいらない。その代り…」


『……?』






涼介さんは一度言葉を区切ると
私の耳元に顔を寄せ耳に舌を這わせる

そして、ふっと息を吹きかけながら囁いた


















「お菓子はいらないから、お前が欲しい」








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