短中編
□ラッキースケベ体質のせいで二度目の人生が楽しめない
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※タイトル通り、ラッキースケベ主人公。
転生前は婦女子→転生後腐男子。
後にR18予定であるが、力尽きたらすみません。
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佐藤宙子、BL大好きのアラフォー独身女。
愛読書はベーコンレタス先生の転生したら主人公の親友になってました、シリーズ。
これは本当に面白い。
とりあえずフラグと言うフラグをバキバキに折るんたけど、次から次へとフラグが立ち上がるので、結局防ぎきれず主人公もBL世界の住人となってしまう。
なんやかんやで慣れてしまうドタバタBL学園ラブコメとなっている。
そんなベーコンレタス先生の最新作、主人公の親友になったので傍観してみました、を買いに自転車に乗ろうとレッツゴーしたら、暴走トラックにより見事にフライアウェイ。
激痛、いや、もう軟体動物じゃねってくらい体がいろんな方向に向かっていって、あー…自分死ぬんだな、そう思って目を閉じた。
そしたら、なんと。
目の前には赤ん坊。
ん?
赤ん坊?
「真宙、蒼空、おはよう」
俺は瞬時に悟った。
これは紛れもなく転生と言うやつではないか、と。
しかも双子。
蒼空と言ったな。
よし、どの世界かはわからないが、とりあえずエンジョイしようぜ、ヒーハー!!
「二人共、本当におとなしいわね、全く泣かないのよ、佐藤さん」
とうやら真宙の母である女性が、隣にいる長身男性に声をかける。
すると黒縁眼鏡のいかにも真面目ですがテンプレの男が近寄って来た。
母親も美人だと思ったが、父親も驚く程に顔が整ってる美形だ。
「君も佐藤さんだ、名前で呼んでくれると嬉しい」
「も、もう…恥ずかしい!
ずっと佐藤さんって言ってるから、今更名前でなんて…」
美しいマイマザーのテレ顔、最高です!
ご馳走さまでした。
美男美女には弱いからな、素敵なご両親から産まれたぜ!
良かった!!
テンション上がるぅぅぅ!!
きっと俺もめちゃくちゃイケメンなのわかるぜ!
その証拠に、蒼空と言われた赤ちゃんの美少女っぷり!!
最高です、あまりにも可愛てずっと見てられるくらいだぜっ
それにしてもそんじょそこらの赤ちゃんよりも何倍も可愛いな、ハーフ通ってくらい色素薄くね?
「この子たち双子なのに、一卵性双生児じゃないのね」
美人母の言葉に、真宙がハテナマークを浮かべる。
その言葉で双子なのかと言う事と、どうやら蒼空とは二卵性双生児だと言うのが理解出来た。
「ふむ、そうだな。
蒼空は君に似てとても美しいが…真宙は僕達のどちらにも似てないな」
美形父が言いづらそうに言うものだから、真宙は蒼空と違って美しくも美形でもないらしい。
「でもどちらも私達の可愛い子供だわ。
真宙が佐藤さんに似てたら、私…ドキドキして子育てなんて出来なかったから、この子が平凡顔で良かったわ」
突然イチャイチャしだす夫婦。
自分がイケメンでもない事など気にせず、目の前の美男美女に夢中な真宙。
その顔は緩み切っているではないか。
その隣で微動だにせず観察するように見つめる蒼空の姿があったとさ。
どうやら、二卵性双生児の双子として転生したが、容姿は平凡らしい。