短中編

□お前の全てを理解出来るのは、世界中探しても俺だけだ
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※親友×万年フラれ屋

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受:弥生
攻:光一

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「振られたぁー!」

弥生が小学生の頃からの親友、光一の家に転がり込んでは、付き合って来た彼氏に振られたと愚痴りに来るのは毎回の事。

「…今回は早かったな、新記録の三ヶ月か」
「ねぇ、慰める言葉よりもそれ?
もっと他にあるでしょ、星の数ほど男はいるよ、とか!」
「お前のペースでいったら、その星の数もいなくなるだろ」

憎たらしい言葉をはきつつもどこか憎めない光一に、やはり友達は大切だなと感じる弥生だった。
付き合ってる彼氏にはこんな言葉を吐けないし、冗談も言えない間柄で、どこかいつも遠慮して言いたい事も言えないでいるうちに、振られてしまうのだ。

「光一になら、いくらでも言えるのになぁ。
何で彼氏にはこうやって本音で語れないんだろ?」

意味がわからないとばかりに、首を傾げる。
それを光一は、当然とばかりに見つめた。
だが、その瞳はとても優しい事を弥生は知っている。
こんな時間ですら二人にとっては、とても心地好い事を気づいていた。

「ほぅ、なら俺を彼氏にすれば良いだろ」

そう言ったと同時に、弥生は腕を掴まれ、その反動で光一の方へ倒れ込む。

「ちょっ…!」

抗議の声を上げようとするも、唇に柔らかい感触が。
それが光一の唇だと気づくのに、時間はかからなかった。

「んっ…」

抵抗する暇を与えず、弥生の頭の後ろに光一の手が回る。
そして、もう片方の腕は腰に回り、完全なるホールド状態だ。

「なぁ、いい加減…気づけよ。
お前をわかってやれるの、俺くらいしかいないんだって事を」

甘く低く、掠れた声で囁かれ、弥生の顔が見る見る真っ赤に染まっていく。

「弥生、好きだ…。
俺と付き合え」

真剣な表情で語られ、こんな熱い眼差しで見られた事などあっただろうか。
それくらい、目の前の男は弥生を熱っぽく見つめている。

「絶対、一人にさせない。
よそ見もしない。
だから、俺を選べ」

長年親友をしてきたが、こんなに男っぽい顔をしたのを見たことがなかった。
光一って、こんなに格好良かったっけ、と思っている内に気づいたら引き込まれるように頷いていたのだ。

「お前の全てを理解出来るのは、世界中探しても俺だけだ」



end
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スタンダード…何だこれ(笑)

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2018.10.1 管理人ゆあ



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