短中編

□フラグが立った!
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※ニューゲームの元になった原作。
主人公は腐男子設定のギャグ寄りのラブコメ。ニューゲームの主人公、キャラいるも性格とか全く違う。


本郷結愛、35才。
仕事から帰って来て、そのまま布団にダイブ。
可愛い鳥のさえずりに、癒されて起きたら、何故か体が縮んでいた。
こっ、これは…!?
某有名な探偵アニメの…って、そんなわけないか。
そうだったら、どれだけ嬉しかったか。
そんなんじゃないよ、昔友達から借りた、某有名な恋愛シュミレーションゲームの主人公と同じ制服が壁にかかってたよ。
だから、とりあえず二度寝してみたら、オカンに叩き起こされた。

「あんた、いい加減にしぃや!
今日から高校生やろがっ」

バンチパーマよろしくの、今時大阪にもこないな髪型おらんがなの母親に関西弁でボコボコになるまで起こされました。
朝から、自分、本当に乙。
と、まぁ、そんな事はどうでも良いんだけど、俺は関西弁など話せないし、母親が関西人でもないし、そもそも誰、この人、状態。
お分かり頂けただろうか、そう、俺は今、ちまたで人気のトリップと言うものを体験してしまっているんだよ!
どうしよう、元から小さい愚息が更にミニチュア模型サイズになってるよ。
誰か、俺にわけてくれませんか?
って、オカンしかおらんがな。
悲しきかな、いくらパンチパーマでもオカンもれっきとした女だ。
下にはある物がないから、分けれないわな。
とりあえず学校に行くか、俺の命の為に。


ドーン、はい、高校に着きました。
家を出たら、もうここだったよ。
ゲーム怖っ!

「うあぁぁぁ、どいて、どいて!」

むっ、この声は愛され主人公の御子神ほとりくんではないかっ
けしからん、男なのに相変わらず可愛いな!
そんな事はどうでも良いが、これは入学早々の自転車でガッシャン、イケメンとファーストキッスなイベントではないかっ

「危ないっ」

この美声の持ち主こと、主人公の王子様の右京真琴の登場じゃあぁぁ。
ほら、今すぐほとりんの自転車を軽々しく止めてみんしゃい!

そう思って結愛が振り返ると、何故かイケメン王子こと、真琴が背後に立っていた。
そして、自転車ではなく、結愛の手を掴み、自分の方へ引き寄せたのだ。
もちろん、予期していなかったのと、どうやら高校生の結愛はとても華奢で細かった為、簡単に真琴の胸の中へダイブしたのだった。

「うおっ!」

結愛が声を上げた瞬間、真琴の力が強かった為に、二人はその場に寝転ぶように倒れた。
そして、当然結愛が彼の上に乗る形で受け止められ、ふに、と言う奇っ怪な効果音と共に、唇に温かな感触。

「んぐっ」
「ん…」

上から、結愛、そして王子様こと真琴の艶めかしい吐息。
背後からは未だ可愛いまでの絶叫をあげるほとり。

なんだこれは、カオスか…
まさか、この俺が王子様とキッスするなど、解せぬ!
それは超絶可愛いほとりんの役目だいっ

ほとりはその場にいる男子生徒を巻き込んで、自転車を止めていた。
そして、その男子生徒こそ、脇役こと結愛の彼氏役である、小林千尋だ。

「っ!
ごめん、君、大丈夫?」

真琴が顔を真っ赤にして、結愛ごと起き上がる。
見事な腹筋を目の当たりにし、何故か負けた気分にかられた。

「オーマイガッ!
マイダーリンがほとりんに浮気した!」

真琴の言葉には全く答えず、ほとりと千尋のほうばかり視線を送り続ける。

「マイエンジェルの前に、マイダーリンは無力だ。
あのデレ顔、完全に惚れたな!
くそう、俺のハッピー脇役ライフを返しやがれ!
お前がいないと、ロンリーだぜっ」

バズーカーのように独り言を言う結愛だが、王子の目にはキラキラと可憐で恥じらう少年に映っていた。

「僕に責任をとらせてくれないかい?」

王子様の言葉に、結愛はマイダーリンの事だと思い、元々はあんたのせいだからな、と言って握手を求める。
それに対し真琴は更に顔を真っ赤にして、君を大切にするよ、と言って抱き締めたのだった。

おい、どうしてこうなった。
何で王子様が顔を真っ赤にして、嬉しそうにして微笑んでいるんだ!

「じゃあ、今日から僕の恋人だね。
よろしく、僕は1年2組の右京真琴。
君は?」

誰もが蕩けるような、美しい笑顔を振り撒かれ、結愛は自分の名前を言う。



フラグが立った。
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