main

□プロローグ
2ページ/3ページ

『ただいまー。はぁ…今日も疲れた…』

笹川瑠雨は玄関をあけ、瑠雨の帰りをまだかまだかと待っていたさすけの頭を撫でると、着替えもせずベッドへと倒れ込んだ。



『あー…化粧は落とさなきゃ…』
しかし身体が動かない。

『節々が痛い…歳だなぁ…』



瑠雨は社会人になってもう8年はたっている、所謂三十路。


朝起きて、ご飯を食べる。
仕事をして、家に帰ってご飯を作って、お風呂に入って、寝る。

その繰り返しだけの生活に少し嫌気がさしていた。


『仕事…行きたくない…』

『でも仕事しないと生活できないし……』


『がんばらないとだよね!』
とさすけに話しかけ、わんと返事が返ってくると、ごそごそと動きはじめた。
ご飯を作って食べながら、好きなアニメや漫画を見る。


さすけが遊ぼうとボールを持って来れば投げてあげ、

そんな時間が瑠雨にとって、至福のひとときであった。


お風呂にのんびり入ったあと、布団にさすけと一緒に潜り込む。


『おやすみ』と呟き、瑠雨はすぐに夢の中に落ちていった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ