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□約束したこと
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とある平日。


いつもの様に瑠雨は麻衣と事務所に行く。



ドアを開けるといつものようにみんなが揃っていて、いつものようにわいわいお喋りをしている。




瑠雨はお茶やコーヒーを入れてみんなに配り、ナルとリンのところにも持っていこうとするが、ナルは不在だった。



リンにお茶を渡す時に聞いてみると

「ナルはちょっと出ています」

『今日って何かあったっけ?』

「さあ…特に何も言ってなかったですね」

とリンと話していると、麻衣やぼーさんから呼ばれ、瑠雨はみんなのところへ戻って行った。



今日は特に与えられた仕事も、まとめるデータもなく、瑠雨はみんなの話しを聞きながら、宿題をしている。

わからない英語は安原さんに聞き、宿題ももうすぐ終わりそうな時、ナルが帰ってくる。


「あ、おかえりー!」
「おかえりなさいませ」
といち早く麻衣と真砂子が反応し、火花ばちばち。


すぐに所長室に入って行くナルに、お茶を入れ持っていこうと準備をする瑠雨。


そんな瑠雨に安原さんが
「あ、そういえば瑠雨!
今度の日曜日、空いてる??どっか出かけない?」
と話しかける。


みんなは
「デートのお誘い?」「やっるー!」
などときゃぴきゃぴしており、ぼーさんだけはおもしろくなさそうな顔をし
「なんだ、少年、俺とはデートしてくれないのに瑠雨は誘うのか?」
と言っている。

「今は本気なので冗談は返せませんよ!デート、どう?」と安原さん。


お茶を持ってすでに所長室の前にいる瑠雨はみんなにひやかされるので少し顔を赤くし
『ちょっと待ってて!ナルにお茶渡してくるから!』
とドアを開けようとすると、中からナルが出てくる。

そして
「日曜日はダメだ。
僕が瑠雨と出かける」と言う。

『……何か約束してたっけ…?』
不思議そうな瑠雨。

「前に言っただろ。ご飯に行こうって。確かクリスマスだったな…。
というわけで悪いな、安原さん。日曜日は僕が‘デート’をする予定なんだ」

そう言い、瑠雨が持っているお盆からお茶のカップをとり所長室に戻って行った。
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