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□放課後の呪者
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ベースでは後味の悪い事件だったという話をしていた。
そんな中、ナルが麻衣に超能力のテストをするために機械を持ってきた。



といってもとても簡単な仕掛けで、4つのボタンの中からどのボタンが光るか予想して押すだけ。


1000回…









勢いだけで押しまくる麻衣。










結果…








全部外れ。


みんなからとてもバカにされていた。
「瑠雨もするんだぞ」




『えー。めんどくさ…』
とナルを見ると圧力が半端なく、瑠雨もすることに…







瑠雨は麻衣とは違い、1つ目から当たり。




「「「「「「おーーー」」」」」
と歓声があがる。





その後も当たり続け








なんと全部当たり。







両極端なふたりだったが、ナルは納得した結果だったようだ。


「やはりな。

ふたりとも超能力者だ」


「麻衣は潜在的にセンシティブだ。


どうりで、ばかのわりに鋭いと思った。
今回変なカンを発揮したのも偶然じゃないかもしれない」


そう。
このテストは1000回ぐらいすると、ほぼ正解率は確率通りになるはず。
確率は4分の1。25パーセントは当たって当然。


これより多くても少なくても普通でないことになるのだ。










みんなで麻衣の過去の事件の振り返りをする。
森下家で井戸に落ちた時の夢は、過去視だったのではないのか。

更に、ガス管が火をふいたときも子どもの姿を見ているのも、あれは霊だったのではないか。



つまり、麻衣は害意のあるものに対して異常なほど敏感。自己防衛の動物と一緒で、敵を嗅ぎ分ける。

つまり、身体は人間でも心は野生動物だとみんなに笑われていた。






怒る麻衣。

そしてナルに詰め寄る。

「ナル…言うからね」


そういって、スプーン曲げをしてスプーンをちぎったことをみんなの前でバラされる。




みんながナルに詳細を聞く前に、ナルはリンに声をかけられる。


タイミングよく、リンが部屋から出てきてしまっていたようだ。





「そんなことしたんですか!
絶対にやらないと…



ナルいいですか!あなたは…」
と怒られ、押されているナル。











「あ!話逸れちゃったけどさ!瑠雨はどうなの?!」




と責められているナルを救うためにも話を元に戻す麻衣。




「瑠雨に関しては

もうみんなも知っているPK-ST。
森下家では瑠雨は透視しているのを見るとESPも持っている。

あとはPK-MTとPK-LTがあれば完璧なんだがな」

と言う。





その話を静かに聞いていた瑠雨。




すると少し考えてから瑠雨が話し始める。



『うーん…

あのね…


今まで誰にも…親にも言ったことなかったんだけど…


PK-LTだっけ?

生物に影響与えるやつ。

私、あれ、少しだけ出来るんだ!』






と言う。



『気持ち悪いって言われると思ったから、現実世界だは本当に誰にも言わなかったんだよね。

霊能力者の知り合いとか、超能力つかえる人なんて周りにいなかったし』


と、キョロキョロなにかを探し始める。


そして、ぼーさんの腕に少し引っ掛けたような傷を見つける。


『あ、これなら出来るかな…』
と言い、傷に手をあてる。


『痛いの痛いの…なくなれ』





そう言い手をどかすと、傷はすっかりなくなっている。



「ほーーすごいもんだな」
と傷があった場所をまじまじと見るぼーさん。


『骨折だったり、血がだらだらだったり、縫わなきゃいけないような傷はダメなの。

自分の傷も無理。



本当に少しの傷だけしか使えないんだけどね』





と話し、またソファに戻る。

その表情は少し寂しそうな顔をしていた。








しかしみんなが気持ち悪がることは一切なかった。





「すごいよ!瑠雨!なんでもっとはやく教えてくれなかったの?!」
と言ってくれる麻衣。


「驚いたな。本当に原石だったとはな」とおもしろそうにしているナル。


ひたすら心配そうなリン。


「ありがとな!」と感動しているぼーさんに
「瑠雨あんた優秀だったのね」と綾子。

「すごいどすー」と手を叩いているジョンに
「あとは霊が見えるようになるだけですわね」と真砂子。






気持ち悪いと言われなかった。

むしろ、みんなすごいと言ってくれた。


存在を受け入れてもらえている。







リンは心配しているが、それも瑠雨のことを思ってのこと。





このメンバーに知り合えて本当に良かったと思う瑠雨だった。









瑠雨のスプーン曲げは見たが、ナルのスプーン曲げは見てないと言うことで、みんな見たいと言い始める。



「こうなったら仕方ないだろ」
とリンに言い、スプーンを持つ。

そして簡単に曲げてみせる。



しかしぼーさんは
「おいおいおい、ナルちゃんよー」
と、ナルが指の力で曲げたのを見抜いた。




「詐欺の被害に合わない一番の方法は、詐欺の手際を知り尽くすことだ」

と笑顔を浮かべ、去って行くのだった。



「もうしない。約束する」
とリンに約束をして。


ちなみにリンは「どうですか」と溜息をついていた。













その後みんなでご飯を食べに行くことに。

ナルとリンは仕事があるから行かないと言っていたので、瑠雨も遠慮していたのだが、みんなに誘われる。

更にナルに
「いってきたらどうだ」
と言われ、嬉しそうに出かけるのであった。


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