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□放課後の呪者
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ある日、麻衣はとても悩んでいた。



そんな中、所長室からナルが出てくる。麻衣はナルにお茶を出しながら

「ねぇ、ナル。
ちょっと気になることがあるんだけど」
と話しかけると
「それが?」
と言う返答。

普通はどんな?って言わないかなどの言い合いが聞こえ、瑠雨も資料室から出てくる。



瑠雨が出てきたからといって言い合いは収まらず、昨日依頼に来た、女子高生の話をはじめる麻衣。



そう。
昨日女子高生が依頼にきた。



内容は
友だちがコックリさんをしているのを見ていたが、その時に一緒に見ていた子の様子がおかしくなった…


授業中に机に飛び乗ったり、体育の時に砂場の砂を食べたりするので、キツネに憑かれたのではないか…
というものだった。



果たしてキツネが砂を食べるのかは謎だけど…と瑠雨は思っていた。





しかしその話を聞いて、ナルは依頼は受けず、病院を勧めたのだった。







「もうちょっと言い方あったでしょ?」と言い合いが止まらない中、ぼーさんが事務所にやってきた。




「おーっす。
ナルちゃんやっほー♡」


そう言うぼーさんは柄物のハットに柄物のアウター。
麻衣と瑠雨は目が点。





そんなことは気にならないのか
「あ、瑠雨ちゃん、アイスコーヒーちょうだい♡」



と言いながらソファに座る。


麻衣は
「ぼーさん…その格好…」
と服装にツッコミを入れていた。





今日はぼーさんはバイトだったよう。



麻衣は不審そうに

「バイトって…?」

と聞いていたが、以前にバンドをしていると聞いたことがあった瑠雨は服装も妙に納得してしまった。



今日はバッグバンドに急に駆り出されたらしい。


麻衣は木魚とか尺八でしょ?と驚いて聞いているが、ぼーさんは本業はスタジオミュージシャンで、ベーシストなのだ。


山はCDなど持ち込み禁止だったのもあり、ぼーさんは山をおりたが、やっぱりそっちの業界は祟りなどが多いらしいので、拝み屋が副業みたくなっているらしい。





一通り話終わり麻衣が納得したところで、ナルが

「それで?今日はどんなご用件でいらしたんですか?」

と聞き、ぼーさんは切り出す。




「あっ、そーそー。
じつは仕事の話にいらしたのよ。
ちょっとナルちゃんの知恵をかりたいんだけど」

そう言い話し始めた。



ぼーさんのバンドのおっかけの子で、都内の女子高生がいる。
その子が言うには、自分のクラスのある席は祟られてるらしい…と。




その席に座った人がここ3ヶ月くらいの間に4人相次いで事故にあい、その時の状況が全く一緒だったらしい。


交通事故ではなく、全員が全員腕をドアに挟まれて電車で引きずられたというものだった。





その席の話だけではなかった。




その子のクラスの担任が美術準備室を自室に使っていたがそこに幽霊が出ると騒いでいるうちに倒れて入院。
原因不明の大量の吐血を繰り返している…

他にもそこの学校には怪談や、事故や、原因不明の病気が山盛りらしい。







そこまで聞いて麻衣と瑠雨は顔を見合わせる。






「その子の学校って湯浅じゃないよね?」

と麻衣が聞くと

「…知ってんのか?」
とぼーさんが答えたのを聞いて瑠雨は急いで資料室に書類を取りに行った。
瑠雨が書類を持って帰ってくると、麻衣は話しはじめる。

「昨日から三件も依頼があったの。
湯浅高校。

瑠雨と話して、ナルは断ったけど、ぼーさんかジョンに頼めないかと思って、連絡先聞いといたの!」


瑠雨はパソコンで打ち直した依頼書を差し出す。




そんなことを内緒でしてたのかと言わんばかりにナルは瑠雨を睨んでいたが、そこは気づかないふり。



「ただごとじゃないぜ…こんな短期間に一つの学校に集中して…」


そのような話をしていると、事務所お客様が入ってくる。





『ご依頼でしょうか?』


と瑠雨が対応する。


「あの…
わたくし、こう言う者ですが…」

とその人は名刺を渡してくれる。

『湯浅高校…校長…先生…?』



「…じつはうちの学校で変なことが起こっているらしくて…
その調査をお願いできないかと思いまして…」



その言葉を聞いて、麻衣とぼーさんは顔を見合わせていた。
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