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□公園の怪談?!
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麻衣と瑠雨がSPRでバイトをはじめて、半年がたった。




麻衣はナルのことが好きになってしまったよう。そしてリンとは半年くらい一緒にいるけどあまり話していないらしい。

しかし瑠雨は同じ時期に働きはじめたのにナルとは会話も多く、リンとも打ち解けている。
仕事も麻衣より重要なものも任されているし、所長室や資料室の中での仕事も許されている。






今日朝から2回も喋ったことに喜んでいた麻衣はそのことを考え
(そんなことで喜んでていいのか…)
と少し落ち込むのであった。

今は瑠雨は資料室で仕事をしているので麻衣はひとりで退屈そうにしている。



その時、事務所のドアが開く。


「こんにちは」
とドアから真砂子が顔をのぞかせた。



「わー!ひさしぶり…」
と言い終わる前に、真砂子は

「ナル、いらっしゃいます?」
と言いきる。



イキナリ、ナルと言われて不機嫌そうな麻衣。
「…ナルなら所長室だけど…」
と言うと


「呼んでいただけます?
あたくし、今日は仕事の依頼にまいりましたのよ」














所長室から出てきたナルはとても機嫌が悪かった。

「それで?どういったご依頼ですか」



瑠雨は
『お久しぶりです。どうぞ』
とお茶を出し、ナルと一緒に真砂子の話を聞く。





「ええ、じつは、知り合いのテレビ局の方が本当の依頼主なんですの。

ドラマの撮影をある公園でしているのですけど、妙な事件…というか現象のせいで撮影がすすまなくて困ってるそうですの」



『妙な現象??』

「ええ。突然、水が降ってくるのだそうですわ」

「雨じゃないの??」

「いいえ、その方がおっしゃるには…」

と話をはじめた。


依頼主の話では、どうやら水風船が破裂したように頭の上からいきなり、バシャっと水が降ってくるのだそうだ。
撮影スタッフはなんともなく、被害に遭うのはメインの役者ばっかり。
そこで調べてみたところ、その公園ではここ半年ほどの間に、何件も同じようなことが起きているようだということ。
単なるイタズラだと地元の警察も警戒しているそうだが、証拠がなく、周囲を探しても犯人らしい人が見つからない。
とにかく
突然そこに水が湧く
という感じなようで、何かあるんじゃないかと、真砂子に相談をしてきたということだった。



『それって、撮影場所変えたらいいんじゃないの?』

「同感だな。
または、撮影自体を中止することをおすすめしますね」

と言う瑠雨とナルに

「そうもいかないらしいんですの。
脚本上の問題や、主演アイドルのプロダクションとの兼ね合いもあるらしくて」

と真砂子。

間に挟まれている麻衣はキョロキョロしている。


そして一言。
「僕の知ったことじゃない」




しかし真砂子は諦めない。
「あたくし、その方にお世話になっていて、なんとかしてさしあげたいの。
力をかしていただけません?」


それを聞いたナルはすごく不機嫌そうであった。

(こりゃ絶対断っちゃうね)
と思う麻衣。


更に真砂子は続ける。
「もちろん、調査料金はその方が払うとおっしゃってますわ。
お願い出来ませんかしら」



(ムリだって。
金じゃ動かないってばナルは。
興味のない事件にゃ見向きもしな…)

麻衣がそう思っていた、その時。













溜息と共に
「…場所はどこですか?」

とナルの声がした。





麻衣は声には出さないが
なんで?!?!?!?!

顔がうるさかった。







事件の現場に行くことになり

『いってらっしゃーい!』


そう元気に見送ろうとする瑠雨。



しかし
「お前もだ」
とナルに言われ
「リンも一緒に連れてこい」
とナルからの指示もあり、リンも一緒に公園へ向かうのだった。
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