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□一人暮らし??
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『ナル…コウ…
あの…
ちょっとお話しが…』



急に瑠雨がまじめに話しをしたいと言ってきた。



ナルとリンは顔を見合わせる。





ホテルで3人でソファに座る。
しかしなかなか瑠雨は話しはじめない。



「で話しってなんだ?」

『あ、あのね…』

『給料たくさんもらってたでしょ?だからお金がだいぶ貯まったの』

『でね…私、一人暮らししようかと思って…』


「「?!」」

『でね、こっちの世界では私未成年でしょ?だから、コウに保証人とかになってほしくって…』


言い終わると同時に

「なぜだ?」
「急にどうしたんですか?」

と質問される。




『うん…実は、最近ね。
学校の子に、ホテルから出てきたのを見られたぽくて…』

『今回はうまくごまかしたんだけどさ、いつか麻衣の耳にも入ると思うんだよね。
そうなると、ナルたちに迷惑かけちゃうから、私出て行こうかなって思ったの』


そういうと考えこむナルとリン。



「少し時間をくれないか?」

と言われ、ナルの発言の本当の意味がわかっていなかった瑠雨も

『うん。私もまだ部屋見つけてないから、私の方も時間ちょっとほしいからありがたい!』

と言い、その場は終わり。



「ナルどうするんです?このままじゃ瑠雨が出て言ってしまいますよ?」

「わかっている。
しかし今回のことは僕たちだけじゃ決められないことだからな…」



この僕たちと言うのが、ナルとリン、瑠雨ではないことに気づくのは、その日の夕方のこと。






「リン、決まったぞ」

ナルはリンに今後のことを説明をすると、リンはほっとした表情。




夜には瑠雨を呼び、再度話す場を設けられた。






『??どうしたの?なにかあった?新しい依頼?』





「瑠雨引っ越すぞ」



唐突過ぎて意味がよくわからない。


『?え、あ、うん?
え、でも私まだ部屋決めれてないの…ごめん。
コウが保証人になってくれるのはありがたいんだけど…』


と少し困って話す瑠雨に



「そうじゃない」

とナル。


『え????どういうこと?』


会話が噛み合わないナルと瑠雨。





するとリンが間に入り、きちんと説明をしてくれた。



「私たちもはじめはこんなに長く日本にいると思わずホテル暮らしをしていました。

でもまだ時間がかかりそうなんです。

そのことをナルがSPRの本部に説明してくれました。
そしたら本部の方から

きちんとマンションを借りて住んで良い
という許可が出たんです」


瑠雨はそれでも意味がよくわからないという顔をしている。



「だから瑠雨も一緒に引っ越すぞ」




『いや、でも…私はSPRの関係者じゃないじゃない…』
そう瑠雨が言うと




ナルは溜息をつく。
「なに言ってるんだ。立派な調査員だろうが」


そこにリンが続く。
「それに、今更ひとりになんてさせられませんよ」



そう言うナルとリンに瑠雨は涙が止まらなくなった。




『…本当はね…


本当は…ふたりと離れたくなかった…の…

ひとりは寂しいから…
色々思い出しちゃうから…』



『一人暮らしもしたくなかった…


でも迷惑かけられないって…思って…』

涙はとめどなく流れる。







「本当にすぐ泣くんですから。困った人ですね」

頭を撫でられる。
このふたりと出会えた私は幸せものなんだなと実感した。





『ありがとう…』
その言葉しかでなかった。
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