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□改めて思うこと
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「〜♪」



「あー、私この曲好きだー」



「歌詞がいいね」

とみんな歌を真剣に聞いていると


『〜♪♪』


後ろから瑠雨の歌声が聞こえてきた。




瑠雨が口ずさんでいる曲は、今テレビで流れている曲。







初披露の新曲と何度も念をおされていた曲。










誰も知らないはずの曲。













知るはずのない曲。






みんな呆然としながら曲の最後まで瑠雨を見続けていた。



見られていることなど瑠雨は気づかない。




最後まで終わると、
『この曲好きなんだよねー。本当にいい曲だよねー。







よし!片付け終わったから、帰る準備してくるね!』




と言い資料室へ。









「…忘れてたけど…やっぱり瑠雨って、ここの世界の人じゃないんだね…


未来から来た人なんだね」


「そうねぇ…」

と改めて現実を見てしんみりする麻衣と綾子。






「あーのーなー!」
と瑠雨に聞こえてしまうので、少し控えめな声で話し始めるぼーさん。


「なんだ?お前らは、瑠雨が未来から来た人だったら、仲良くならないのか?

嫌いになるのか?」





そう言われ、麻衣は首をふる。



「そんなわけないじゃない!」
と綾子。





「だろ?人には色々あるんだよ。
その人の根本が好きなら、関係ないこともたくさんあるんだよ」




と麻衣は頭をぐしゃぐしゃにされる。


「そうだよね。瑠雨は瑠雨だもん。


関係ないよね!」





そうして資料室から出てきた瑠雨に抱きつき、麻衣と瑠雨は手を繋いで、みんなで事務所を出て行ったのだった。


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