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□お出かけ?!
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その日、学校が終わる時間にリンとぼーさんが車で麻衣と瑠雨を迎えに来てくれた。


注目を浴びながら…




でもそんなのは関係ない。


リンが運転してくれており、瑠雨は助席へ。
後部座席には麻衣とぼーさんが座る。


「楽しみだねー!」
「何乗る?何食う?」

とはしゃいでいる後部座席と違い、リンは

「試験はどうでしたか?」


とマジメな質問をしてきたことに、瑠雨は思わず笑ってしまった。





パークに入ると、平日であったが少し混んでいる。


リンは怪訝そうに歩いているが
『こっちだよ!』
と手を引いてくれる瑠雨があまりに楽しそうにしているのを見て、嬉しくなった。





みんなで耳をつけたり(リンは嫌そうだが)

ツリーの前で写真を撮ったり(リンは無表情だが)

食べ歩きをしたり(リンはあんまり食べないが)

アトラクションに乗ったり(リンは何に乗っても反応はないが)







一応見た目を考えて、男同士でペアになるのは避け別の意味で注目されるようなことはないようにしたのだが、背が高いふたりは相当目立っていたのは間違いないだろう。





しかし、普段であれば不機嫌MAXであろうリンも、瑠雨がいるからか、時折笑顔を見せることもあるくらいだった。




最後に暗闇を走るジェットコースターに乗ることになった一行。
ペアは麻衣とぼーさん。リンと瑠雨。




乗る直前になり笑顔が消える瑠雨。



「どうかしましたか?」

と聞くと
『私これ苦手なの…だから…
手を繋いでもいい??』
と聞かれ

「いいですよ」
と優しく答える。




アトラクションの何に乗っても無表情であったリンは、この時ばかりは手をぎゅっと握られ、暗闇の中でにやにやが止まらなかったのは内緒の話し。




お土産を買うとき、麻衣と瑠雨はふたりでナルのお土産を選んでいた。

そして、事務所に置く用のマグカップを買うことにした。
麻衣と瑠雨、リンの分も色違いで買うことにし
『お揃いだー!』と喜ぶふたり。




麻衣と瑠雨は、ふたりだけのお揃いのシャーペンを買っていた。






まだ麻衣が買い物が終わっていなかったので、瑠雨は買い物が一通り終わると、外で待っていたリンのところへちょこちょこっと寄って行った。


『今日は来てくれてありがとう。普段こないところだから疲れたでしょ?』
と声をかける。





「まぁ疲れましたけど、大丈夫です。



楽しめました?」


そう聞き返し


『うん!とても!』
と瑠雨が答えると




「その言葉が聞けて良かったです」
と笑顔を見せてくれた。








そう会話をしている途中で瑠雨が


『あ、あのね…』


と、ペアのストラップを取り出す。




『これ、お揃いなの!だから一緒につけよ?』
と言いながら。




嬉しい気持ちとくすぐったい気持ちが止まらないリン。



「いいですよ」と携帯を出し、ストラップをつける。


ふたりで携帯についたストラップを並べて
『かわいいねー!』

と喜ぶ瑠雨を見て





「ありがとうございます」




そう言いながらストラップを見て、瑠雨を見る。


(この笑顔を絶やさないように、傍で守ってあげたい)

そう誓うのであった。














後日


リンの携帯に可愛い可愛い双子のリスのストラップがついているのに気がついた綾子と真砂子。



あまりにもアンバランスなその光景を見て

「ひっ…」

と絶句するのであった。


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