名簿

□かいものくん
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「わからないです。」

入谷は綺麗な洋服に身を包み悩んでいた。
横に並ぶ店員の女も困った顔をしている。

「分からない、って言われてもなあ。君に選ばせろ、って言われてるからね。」

高田は眉尻を下げてそう言った。

原因は、数十分前。

身を繕え、と丑嶋に言われ札を数枚受け取った入谷だが、そこでお金の使い方をわからないと口にした。考えた丑嶋は手の空いている高田に指示をして、柄崎と回収に行き、残された2人は今に至る。

入谷は今度、何を選べばいいか分からずにいた。

こちらのワンピースお似合いですよ。

こちらのパンツはいかがでしょうか。

今流行りのカラーになっております。

今まで自分で服を選ばなかった入谷は色とりどりの洋服目の当たりにして、頭痛すら覚えた。

見かねた高田は溜息をつき口を開く。

「仕方ないな。社長には内緒だからね。」

そう言うと高田は、入谷が試着を済ませた服をいくつか手に取り店員に手渡した。そして最後に入谷が着ている服を指差し、店員に購入を伝えたようだった。
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