日常の片隅
□日常の片隅
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隣に座る彼の顔を見つめる
俺の視線に揺らぐ瞳
座面に置かれた手に触れようとして、そっと手を伸ばす
「だめ・・・・・・」
「何で?・・・」
たった一言の言葉で俺は動けなくなってしまう
それと同時に胸が苦しくなる
「・・・・・・カンタ」
「・・・・・・・・・」
名前を呼ぶと遠慮がちにこちらを見た
その瞳は何かを言いたそうで・・・
「・・・俺は・・・」
口を開くとカンタが小さく首を振る
何で・・・
まだ何もいってないのに・・・
重い瞼が自然に開く
ぼんやり白い天井が視界に映る
大きなため息をつきながらもう一度目を瞑る
夢で見たはずの胸の痛みがまだ取れない
「・・・・・・俺は高校生かっ!」
馬鹿みたいに独り言を言って、ベッドから起き上がった
続く