長編
□親友と呼び名
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「おい、落ちたのは多分中庭の方だ。俺らも行こうぜ。」
同じく廊下で様子を見ていた竜司に声を掛けられ蓮も急いで中庭へと向かったが、中庭へと出る場所には大勢の生徒が群がっていた。
「ちっ、これじゃ行けねえ。実習棟から行くぞ。」
あまりの人に遠回りをして中庭へと向かった。
中庭へと着くと、倒れている志帆の傍らに杏と名無しが居て、それを遠巻きに見ている生徒と教員が居た。
「志帆っ・・どうしてっ・・!」
泣きながら志帆にすがる杏。
「志帆ちゃん・・・。」
同じく泣いている名無し。
「・・・ごめん、杏、名無し。私・・・もう・・・無理・・・。」
そう弱弱しく呟いた後、すぐ近くにいた杏と名無し#にだけ聞こえるように何かを言った。
「っ!?カモシダっ・・!?」
「なんてことをっ・・・!!」
杏と名無しが愕然とする中、志帆は意識を手放した。
「志帆っ!!」
「志帆ちゃんっ!!」
そこへようやく救急車が到着し、誰か同伴を求めるが教員達は皆自分が付き添うことを拒んでいた。
「「行きます!」」
そんな中、杏と名無しが名乗りを上げ、二人と志帆を乗せた救急車は病院へと向かった。