Story 2

□*決戦日
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ミナ side


ついにこの日がきてしまった


「アイドル運動会」


モモおんにのことが好きなわたしは


他のアイドルと仲良くしてる


モモおんにを見たくない


こんな風に思ってることなんて知らない


モモおんには呑気に


「みーたん!楽しみやなぁー!」


なんて言って隣でニコニコしてる


隣にいるわたしだけを見てて欲しい


って言葉をのみこんで


「そうやなぁー」って微笑む


同じチームの男性アイドルと


二人三脚の競技に出るわたしは


「頑張ってくるね」って言い残して


スタート地点に向かう


後ろから聞こえてきたモモおんにの


「応援してるね!」って言葉で


ニヤつく顔をおさえながら


スタート地点で二人三脚をする


男性アイドルに丁寧にご挨拶


足を紐で結び「頑張りましょうね」って


言ってくれた男性アイドルの方と軽く雑談


緊張をほぐしてくれようとしているのが伝わって


少し安心した


ルール説明が始まり


「失礼します」なんて言われたから


不思議に思っていると


肩を組んできた


二人三脚だし仕方ないって思って


競技に挑んだ


結果はまずまずってところで


本当に可もなく不可もなくだった


「ありがとうございました」


お互いに挨拶を交わした後


モモおんにに報告しようと思って


隣に座ろうとした時


「みーたんもっとこっちおいで」


ってモモおんにがわたしの肩を抱き寄せた


普段そんなことしてこないから


ドキッとして「...うん」って答えるしかなかった


もう競技のことなんて忘れるくらいドキドキする


座ってる時、ずっとモモおんには


わたしの方を抱いたまま観戦したり


応援したり楽しそうに過ごしてる


そんなことされたら期待しちゃうな


なんて思いながら時間は進んでいく


トイレに行くと言ったモモおんにに


当たって砕けてしまえって決心する


トイレに行くまでの廊下で


誰もいないことを確認して


「なんでずっと肩組んでたん?」


ずっと不思議だったことを聞く


勇気のないわたしはストレートに


「好き」なんて言えなくて


わかりづらい言い方をしてしまった


モモおんにの沈黙が怖くて


それが答えだと思って


モモおんにと歩いてきた廊下を


一人で帰ろうとした
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