妄想吐き溜め

□独占欲
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松「まいちゃーーーん!まいちゃんはほんまかわええなぁ〜w」


松「も〜まっちゅんほんま幸せ〜!!うふふ〜っw」

って、まいやんを目の前にさっきからさゆりんがデレデレしとる。




………


はぁ…


まいやんもそんなさゆりんに対して

「沙友理ちゃんの方が可愛いよーっ!!」

って…
2人両手を合わせてキャッキャキャッキャと…
それはもうハイテンションにじゃれとるワケで





ほんま………


なんなん…




机に突っ伏して顔だけをそちらに向けて2人を見る。

ラブラブなバカップル芸を見せつけられてななの心は複雑極まりないんやけど、さゆりんに向けられているまいやんのあの笑顔に、目が離せない




…ええな


さゆりんが羨ましい。
あんなにニコニコするまいやん
その顔をななにも向けて欲しい


心の中ではいつも本音が漏れるのに


その本音が言葉として出てくる事は、決してない。

というか、言えない。





そんな事をぼーっと2人を見つめながら思っとったら


西「!」

まいやんと視線が合わさる



ドキリと大きく心臓が跳ねて思わずその目を逸らしてしまった。せやけどあからさまに逸らしてしまった視線に今更ながらに後悔。
動揺も抑えられず尚も心臓は止まない


西(ま、まいやんと目が合ってもうた…ななが見てた事ばれた…やんな?……目もあからさまに逸らしてしまったし…)


変に…思われたやろか

そう思ったらなな自身その場に居づらなって
伏せていた顔を上げ足早に楽屋を出た。




取り敢えず出てきた楽屋を離れ、意味もなくお手洗いへ。
かといって別に用を足したいワケでもなく来たもんやから上手く時間も潰せんくて

収録時間までまだもう少し時間があるから困った

楽屋、戻りづらなった…



……

はぁ…


溜息。






ほんまは他のメンバーみたくななもまいやんに話し掛けたいんやけど
彼女を前にするとどうしても…なんや…緊張して上手く話せんくなる
取りたくもない距離も置いてしまって

せやけどそうしてななには向けられる事のない笑顔に
その笑顔を向けられとるメンバーに
ななはいつも心の中で嫉妬してる。

それはななの一方通行な独占欲で…


鏡を見つめて








西「なぁ…まいやん…」




西「ななだけを、見てや…」


ポツリと


誰に聞かれるでもない本音を呟いた







西「ふ、……なんてな…」


何言ってんねやろ

鏡から視線を外して
言葉にした本音に恥ずかしくなって笑った




それでも、一言でも形に出来た本音に少しだけ心がスッキリした気分やった
そうしていつまでも此処にはおれんからそろそろ楽屋に戻ろう。
そう思い出入り口へと足を向ける。


と、

白「うわっ…、と…」

西「…っ、」

入り口でまいやんと鉢合わせ




西「ぇ……っ、…」

あまりの驚きに何も話せんでいたななに

白「あ、七瀬お手洗いに行ってたんだね」


って

白「楽屋から出て行った後の七瀬が中々戻って来ないから気になって」

七瀬を探してた。
ってサラリと…

そんな嬉しくなる事言わんといてや



西「…っん、うん、…やけどなな、もう戻ろ思ててん…」

そんなまいやんの言葉にななは動揺を隠せず
言葉も上手く紡げんかった


白「そっか」

ってフワリと微笑むまいやん。
それじゃ、一緒に楽屋戻ろ?って


西「…ぇ、」



そうしてななの視界に入った

まいやんから差し出された右手




まいやんを見つめる

白「…ん?」



差し出された右手に視線を戻して


ほら、早く戻ろ

って




すっと右手が更に前に差し出される


その手に、戸惑いつつもななの手をそっと重ねようとした



瞬間

西「…っ!?」


ぎゅっとななの手を握り締められたかと思えば
思い切り引っ張られて

視界に飛び込んできた至近距離のまいやんの顔



西「……ぅ、…っ…」

あまりの展開に思考停止状態のなな

誰もが見惚れるその顔がニコリと綺麗に微笑んだかと思えば

その顔がななの耳元に移動する




白「 」


西「ーーーーっ、!」

囁かれた言葉に
ななの全身が、震えた




顔に血が昇っているのが分かる
いま、絶対ななの顔赤なってる

尚も言葉を発せないでいるななに再び合わさるまいやんの視線。


白「耳まで真っ赤…可愛い…」


そう言うまいやんの顔もほんのり赤くて



その…ななに向けられたまいやんの顔が、ななの心臓をこれでもかというくらい高鳴らせて…



白「それじゃ、2人で楽屋に戻ろっか」

再びまいやんに腕を引かれながら後ろをついていくんやけど、ななの足元はおぼつかず





これ…なな収録に集中出来る気せーへん…


頭の中では先程まいやんに言われた言葉が頭の中を占領して離さなかった。



















「私はいつだって、七瀬しか見てないよ」

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