妄想吐き溜め

□告白(2)
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両思いがこんなにも嬉しいものなのだと実感した夜。
そしてそんな彼女を、心の底から大切にしたいと、思った。




ふとそんな想いに浸りながら七瀬の肩に頭を預けると、途端に七瀬の肩がビクリと震える。

白「…?」

不思議に思って目を開けた瞬間、その視界に映るモノ…



…ぁ







……………


七瀬の肩が揺れた原因が分かり、そして私の中にも、しまったはずの感情が再び顔を出す。
それはいとも容易く私を呑み込み感情に支配されそうになる


…けれど
私は七瀬を怯えさせたい訳じゃない


目を閉じて、顔をのぞかせた感情を鎮める



目を開けて再び視界に入ったそこに

重ねるように唇を寄せた。


西「…ぁ」
予想だにしていなかった刺激に、七瀬はピクッと、可愛らしい反応を示す。


白(…可愛い…クセになりそう…)

西「…ま、まいやん…」

そこから視線を外して七瀬を見上げると
顔を真っ赤にした七瀬と目が合う

白「七瀬…」

その唇に、自然と引き寄せられるように…


西「…ん、」


啄ばむようなキスをして



今度は至近距離で七瀬と目が合う。けどすぐに視線を逸らされる。


西「……んっ」


けどそれを追いかけてもう一度唇を寄せる。
七瀬が逃げられないよう頬に手を添えて、今度は何度も、何度も、角度を変えてキスをする。


西「…っまい…や、んっ」

息も切れ切れに名前を呼ばれて
加虐心が煽られる。


もう何回目のキスを交わしたか分からなくなった頃、七瀬の唇を解放してあげた。



西「…はっ…」
突然の酸素量に涙目で何度も咽せている七瀬

七瀬には言えないけれど、かずみんの気持ちも分かる。
こんな七瀬を見たら、止まれない。


そう思って七瀬の腰を引き寄せそのままベッドに押し倒してしまおうと悪魔が囁いた瞬間ーーーーーー

「ピンポーーーン。」

西「っ!!」

白「………?」

突然のインターホン。
しかもこんな真夜中に鳴るものだから、七瀬が怯えてる。

うん、内心私もとても怖い。


暫くそのままでいたら

「ピンポーーーン」
橋「おーーい、しーちゃーん、ななせー。」

って、

白「え…ななみ?」



なんで


余りにも呑気な奈々未の声に、毒気も抜かれ、頭が真っ白になる。
気が付けば腕に収めていたはずの七瀬がするりと抜け出し玄関の方へ走っていく姿が見えた。



白(え、開けるの?)


折角2人でイチャイチャしてたのに…

と、思っていれば玄関先で会話する声も聞こえてくる。

足音が近づいてドアが開けられると、奈々未の姿。


ベッドの上の私を見て


不敵な笑みを浮かべ「やっぱりね」って顔を、確かにした。

ぜっっったいに、した。



白「……何しに来たの…」
邪魔しに来たの?って意味も込め、少し睨みながら言ってやったらピシャリと一言。



橋「しーちゃんの暴走を止めに来た。」

って何それ。





七瀬の事も気になったらしいけど、1番は私の暴走を止めに来たらしい。
ってそれって結局七瀬が心配だったからって事じゃん


橋「しーちゃんには悪いと思ったけどね、だけどこれもしーちゃんの為だから。」

なにそれどういう…


橋「初日から自分の行いで七瀬に警戒されたくないでしょ?」
ククッ、って笑いながらことごとく私の心の声を見透かして答える。


白「……………」
さっきまでの自分を思い返して…
まぁ…そう確信を突かれてしまっては…
何も言えないんだけど…









橋「しーちゃんの事は何でもお見通しだよ」


白「見通さないで下さい」




七瀬と気持ちが通じ合った夜
奈々未に見透かされた夜

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