夢 短編
□一目惚れ
2ページ/5ページ
その人は真島吾朗と言うらしく、
本気でヤのつくお仕事の人だった。
呑気にお茶してていいのだろうか...?
「別にかまへんよ?」
『え?、何がですか?』
「呑気にお茶してていいのだろうか?って自分いうたやん!」
『思ってたことが口に出ちゃってたんですね...』
ハハハと乾いた笑い声が出てしまった。
「で、姉ちゃん名前なんていうん?」
『あ、名字名無しです。』
「名無しちゃんな!よろしゅう!」
にかっと笑う真島さんはなかなかイケてると思う。
「名無しちゃんは彼氏おらんの?普通やったら彼氏とデートとかするやろ?」
『おお、いきなりですね。つい最近、別れましたよ。』
「そうなん!?なんでや!?こないな可愛い子ポイする男おるんか!?」
『ふは、ポイって...笑えますね。』
ははっと笑ってしまった。
そして真島さんに別れた理由をはなした。
すると、真島は真面目な顔になりボソッとしばいたろか?といった。
『え?なにか言いました?』
「いや、なんでもあらへんよ。こないな可愛い子を捨てる男なんか忘れてしまい!新しい出逢いがあるはずや!」
『そうですね!案外近くにいるかもしれないですしね!』
「そうやで!ワシやったりしてな!」
『それはないですね!』
「なんやて!?」
2人で冗談を言いながらお茶をし、
連絡先を交換した。
今思うと普通に極道の人と喋っていた自分は凄いと思った。