夢 長編
□彼女とメール 2
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「どうして俺なんだ?」
桐生は何度目かわからないくらいこの言葉を繰り返している。
「だって、桐生ちゃんしかおらんねんもん。」
「...はぁ...」
だって、ってなんだ、だってて!
桐生は頭を抱えた。
久々に真島の兄さんに飲みに誘われ、
セレナにきたのだが、飲み出して早々、兄さんは深刻な顔で
「気になる子ぉがおねんけど、ゴロ美でしかあってへんねん。しかもや、デートの約束してしまったんよ。ゴロ美でいくか、イケメンな兄さんでいくか、迷ってるんよ!」
だそうだ。
「ずっと言ってるが、ゴロ美で行けばいいじゃないか。ゴロ美でしかあったことがないんだろ?だったらそうするしかねぇだろ。」
グイッと酒を飲み干す。
「せやけどなぁー...」
「だったら連絡してどっちでいっていいか聞いてみればいいんじゃない?」
真島はガバッと起き上がり目をキラキラさせた。