夢 短編

□あなたに...
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私はあなたに恋をしました。

名前も知らないあなたに...。

あなたは私を知らないし、私もあなたを知らない。
ただ、わかることはこのバーに飲みに来ることだけ。
いつ来るか、何時に来るか、そんなのはわからない。
でも、ひとめ見るだけでそれでいい、
そう思った。

『今日はいるかな...?』
嫌なことが続き最悪の気分だったがあの人をひとめ見ようとバーに立ち寄った。
だが、いなかった。
『はぁ...』
気分は落ちるばかり
『よし、今日は飲んで明日ゆっくり休もう!』
マスターにオススメのカクテルを頼みちびちびと飲んでいたら、

「おひとりですか?」

と声がした。
振り向くとあの人がいた。
『え、えと、ひ、1人です...。』

「ふっ、よかったら一緒にのみませんか?」

カミカミになりながら返事をし、ドキドキしながら一緒に飲むことになった。

「俺は堂島大吾です。名前聞いてもいいですか?」

名前は堂島大吾さんらしい。
やっと名前を聞くことができた。
と言うよりも話が出来たことがとても嬉しく、仕事でのことを忘れることができた。

『あ、名字名無しです!よろしくお願いします!』

「じゃあ名無しさんって呼んでいいですか?」

『はい!全然!お願いします!』

「くくっ、あー、敬語じゃなくても大丈夫か?」

『大丈夫です!』

嬉し過ぎて話出せない名無しに話題を出してくれる大吾。
ますます好きになった。

「俺ばっかり喋ってすまないな。」

『いえ、私こそすいません。なにも話せなくて...』

話をする度に好きな気持ちはどんどん増すばかり。
幸せな時間だった。
どのくらい時間がたったかわからないが、連絡先を交換し、店を出た。

「また、暇な時連絡していいか?」

『はい!お願いします!楽しみにしてますね!/////』

にっこり笑うと
大吾は口元に手をあて、

「それはないだろ.../////」

『え?なにか言いました?』

「いや、なんでもない。」

顔が紅くなった気がした。
それから名無しの気持ちはるんるんして
幸せな気持ちで家についた。

それから何度も大吾と飲みに出かけた。
もう、好きな気持ちはどんどん増す。
この気持ちを隠すのが精一杯だ。

『今日はありがとうございました。楽しかったです。』

「いや、こっちこそありがとうな?楽しい時間は過ぎるのは早いな。」

『ホントですね。早すぎます。』

しゅん、とすると、
大吾は名無しのあたまを優しく撫で、

「そんな顔するな、離したくなくなる。」

『えっ!?そんな恥ずかしいこと言わないでください/////』

「ホントの事だ。誰かに取られたくない。」

『!?』

聞き間違いだろうか?
ドキドキして、顔が熱くなる。

「気を悪くしたらすまない。あの店で飲んでた時に一目惚れしてな、名前も知らないし、いつ来るかもわからない。どのタイミングで話しかけようとか、考えてたらかなり時間がたってしまってな。」

大吾は顔を紅くし、あたまをかきながら話を続けた。

「まだ、ちゃんと話をしてあんまり時間がたってないが、良かったら俺と付き合ってくれないか?」

嬉しくてたまらない。
ずっと同じ気持ちだったらしい。

『わ、私でいいんですか?私、大吾さんのことなんにも知らないし、平凡な女だし、いいとこなんにも無いし!』

「これから知ればいいだろ?ダメか?」

『いえ!わ、私で良ければ喜んで/////』

「ふっ/////これからよろしくな?」

『よろしくお願いします!/////』
それから大吾は名無しを家まで送り
またな、そういい名無しは家についた。

それから月日はたち、
お互いのことを知ることができた。
大吾が東城会会長ということがわかり、びっくりしたが好きな気持ちは変わらない。

日に日に好きな気持ちは増すばかり。

あなたに恋をしました。
今ではあなたの恋人です。
いま私は幸せです、あなたは幸せですか?

終わり
→後書き
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