小さな社長とバグスターと時々私。
□No.1
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「ふぁ……」
風に揺られるカーテンから漏れる、ほんのりとした月明かり。
それは、スマートフォンの光だけが目立つ暗い部屋を照らす。
ふと、視線を月に向ける。
「……綺麗」
今日の月はとても明るく、綺麗な満月のようだった。
唇の端を少し動かし、またスマートフォンに視線を向ける。
静かな所は好きだ、と改めて実感する。
トクントクンと、心地良い自分の心臓の音がハッキリと聞こえる。
明日は、何か起きるのだろうか。
「へへ……心が、踊るなぁ。」
彼女の名は采美。
至って普通の女子……
という訳ではなく。
少し厄介な性格の持ち主である。
「……エグゼイド見よ。」