緑side
付き合ってる設定
俺はいまタクシーに乗りながら帰宅している
自宅のあるマンションで止まらせ、お金を払い外へ出る
「寒いなぁ、最近」
そう呟きながら歩みを進め、自宅へと向かう
部屋に入るは良いものの、中には誰もいないのは常である
適当に軽食を取り、風呂に入り、洗濯をする
ここまではどこの一人暮らしをしてる人と同じだ
しかし、俺はあまり元気になれずにいた
原因は恋人である小山との時間だ
普段から忙しくてあまり会えてなくて、なんだか距離が離れていく気がした
寂しくなっていき、もう今日は寝ようと思ったところ、着信音が流れた
着信名は『小山 慶一郎』
無意識に通話ボタンを押し、耳に当てた
「あ、シゲちゃ〜ん。こんばんは」
「おう。どうしたんだよ」
やべ。声、裏返ってねえかな
「なんでもない。ただ、最近シゲちゃんの声を聞いてないなって思って」
「そうだな…最近、会ってねえもんな」
「うん。だからシゲちゃん。空を見て」
促されるまま、窓を開け空を見る
そこには星空と月が見えていた
「へえ。こんなにクッキリ見えるって珍しいな。普段は電気の光で見えないのに」
「ね!綺麗だね」
「そうだな。俺も素直にそう思うよ」
「…あのね、いま2人とも同じ空を見て、同じ星空と月を見てるじゃん。離れてても、それを共有出来るってだけで、すごく素敵だと思うの」
「…………………」
「今度、お休み貰ったら2人でご飯食べに行こうよ!それで、たくさん話して気持ちを共有しよ!」
なんだ。俺の思い過ごしだったのか
小山が俺のことを心配してくれてるし、俺の事を考えてくれてる
こんなに嬉しい事はない
もう少し頑張ってみよう
今日は良い夢が見れるかもな
「小山、今日は月が綺麗ですね」
「!はい…!」