夢
□第1話
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蛇「ひでぇよ蛮骨の大兄貴〜っ!」
高い声の持ち主が叫び、夕暮れの草原に響き渡る。
蛇「俺の好みだって知っててなんで大兄貴が殺っちまうんだよーっ!」
蛮「あーっもう、うるせーやつだな。お前の好みなんざ知らねーよ!」
明らかに年下に見えるが大兄貴と呼ばれる三つ編み姿の少年は面倒くさそうに頭をかく。
蛮「しょーがねーだろ。あの時殺んなかったら、あのヤロー逃げてたぜ」
蛇「だからって殺しちまうことないじゃんかよー。足でも折っといてくれれば…」
蛮「俺はおめぇと違ってバッサリ切っちまいてぇ主義なんだよ」
蛇「わかってねぇなぁー大兄貴は」
蛮「お前の悪趣味を理解できるヤツの方が少ねぇと思うぜ」
蛮「へ?そうかー?」
溜息をつきながらダルそうに「早く酒飲みてぇ…」などと呟きながら歩く蛮骨。
蛮「何してんだ?あいつら」
ピタッと足を止め、進んでいた道の先を見る。
そこには5〜6人で何かを取り囲んでいる山賊らしき男達。