ゴーストハント夢

□放課後の呪者
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目を開けると、暗闇の中で私はぽつんと佇んでいた。

「名前……」

姿を現したジーンは、目が合うと少し微笑んでから指を差す。


見てみるとそこには、モノクロ写真が反転したような学校風景があって、校舎の中が透けて見えた


その学校のあちこちには、蒼白くて気味の悪い光が、ユラユラと灯っている。


「鬼火だ……」

ジーンが表情を曇らせて言う。


あ……うん。シリアスな感じのところ悪いけど、もう知ってるぞ??

『そうだね』と言って、私は鬼火の話を強制終了させた。時間が少ないからね。


『………ところで、ジーン。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……』

渋るように言う私に、ジーンは「ん?」と首を傾げて優しく促す。


『…………PKのトスの仕方を…教えて欲しいの』


この質問はやっぱりしづらいし、ジーンは一瞬、目を見開いてから、少し寂しそうな声で頷いた。

「………うん、わかった……」



とりあえず、ジーンから教えてもらったやり方はこうだ。

まず、白い小さな光点をイメージする。

できるだけ体をリラックスさせ、それが体内を巡るイメージを1週させたら、相手にトスする。

それを何度も繰り返してトスし合うと、格段に強い光の球体に育つらしい。

そして、ナルの体内にあるコンデンサに、それを貯めるんだとさ。


しっかし、どういう原理なんだろね?

『ありがとう』と言うと、ジーンは微笑い、その綺麗な顔が急速に霞んでくる。




「名前」

目が覚めると、目の前にナルの顔。


「……やっと起きたか。着くぞ、名前」


どうやら肩に凭れたままの私を、ナルが揺すっていたらしい。

お互いの息がかかる距離で焦ったわ……。


あの後、ジーンのことを聞かれたけど、鬼火のことだけ伝えといた。


とりあえずベースに戻ったけど、特に進展なしだったから今日は解散!

ってことで私は帰り、ルーズリーフに産砂先生への手紙を書くことにした。


『産砂先生へ

あなたが厭魅を行っているのは知っています。

しかし、これはまだ他の人には言ってません。

厭魅は気力と体力を使うし、自分も苦しめます。

自分のためにも、今すぐやめて、呪詛を処分してください』


……よし、これでいいだろう!!

直接言うわけにはいかないので、産砂先生の靴箱に手紙をポイっと入れておいた。

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