ゴーストハント夢

□放課後の呪者
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生物準備室からの帰り、突然ベースの前でナルが立ち止まった。


「………名前、麻衣。…少し頼みがあるんだが」


ドアノブをギュッと握るナルの頼みは、スプーン曲げの口止めだ。

特にリンさんにはバレたくないみたいで、年相応の困った横顔がかわい過ぎんよ……っ!!

『おっけー』
「いいともー」

一応了承しといたが、横の麻衣もニヤニヤだ。
こりゃ口止め料でケーキ要求すりゃ良かったな…




ベースに入ると、既にみんな戻って来てて、喧嘩せずに話し合っていた。よしよし、イイ子だ。


とりあえず、ジョンとぼーさんは狐憑きの女の子のとこに行ったが除霊失敗。

これはもうヒステリー患者だから医者の管轄ってことになった。

その他の人には護符を渡して来たから、効き目があるかどうかは、まだ様子見中だ。


真砂子の方は、第1ピアノ室と校庭の桜と地下室と美術準備室で霊を発見したらしい。

ちなみに綾子は特に除霊しなかったんだとさ。
うむむ、楽しいだな。


それからティーブレイクをしつつ、笠井さんについて報告すると、ゲラーの話しから、PKの話で盛り上がった。

みんな能力の話し大好きだよねー。と聞いてるとPK-LTの説明の時に麻衣がサラっと暴露する。


「PK-LTって、名前が昨日やったあれだよねぇ」


「「「…………ぇえっ!!?」」」


案の定、麻衣の言葉に、綾子とジョンと真砂子の驚きの声が響いた。


『あははは……』

チラッとリンさんを見たけど、ナルから聞いたのか、特に反応もなくパソコンをしている。


私の話しが終わると、次はオリバー・デイビス博士の名前が出てきて、霊能者たちは興奮気味だ。

本人が目の前にいるのになw
そう意識すると笑いを堪えるのが大変だわw


ふと、ナルが気になってチラッと見ると、なんと眼が合った!

私は笑いを耐えるのに、つい表情が可笑しくなってたのかもしれない……。


ナルが呆れたように溜息をついて、みんなの話を遮った。

「とりあえず重要なのは、誰が厭魅の呪法を行ったのか、なんだが。………今日はとにかく、厭魅以外の被害を先に対処しよう」




ってことで、今度は麻衣とリンがお留守番。

ぼーさん達の方は、除霊やらの続き。

ナルと私の方は、産砂先生について調べに、今はお出かけ中。


本当は麻衣と留守番だったんだけどね。
「産砂先生について調べたい」ってナルに伝えたら、ナルがついて来たのだ。




学校を出るまでの間、ぼーっと窓の外の風景を見ながら歩いてたら、突然ナルが口を開いた。

「…名前は産砂先生が怪しいと思ってるのか?」


え?と横を見ると、そのナルは前を向いたままだ


『うん。だって、ゲラリーニのこと知ってるのにインチキなやり方を教えるなんて変じゃない?』

「産砂先生もゲラリーニだったと?」

『さすがナル!ねっ、怪しいでしょ?』


するとナルはチラッと視線を寄越した。

「……そうだな」


何故か下を見て考えてるみたいだけど、何?
何か考えるようなこと言ったかな私……。
なんだか嫌な予感でしかないぞ!!



その後、タクシーで図書館に行ったらあったよ!

「エスパーのペテンを暴く」って雑誌で、スプーン曲げでインチキしてる産砂先生の若い頃の写真が載っていた。

帰りのタクシーでは雨が降り出してて、雨の音と乗り物の振動で眠気を誘う。


………私はまたしても、ナルの肩に凭れて寝てしまった。

堂々と仕事中に寝れるしタクシーって最高〜!!

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