ゴーストハント夢

□放課後の呪者
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とまぁ色々あったけど、さっそく翌日の月曜日、来ましたよ湯浅高校。

調査にはぼーさんとナルと私と麻衣で行くことになった。

リンさんは学校の周囲の住人の聞き込みに行ってるそうだ。


ベースには生活指導の吉野先生を初めに、じゃんじゃん人がやってきて症状や体験談などを話してく。

怖い話ばっかで飽きないな…。
ナルは真剣に内容を聞いているが、麻衣とぼーさんは既に疲労で生きた屍のようだ。


そんな中、ぼーさんのおっかけをしている女の子がやってきた。

高橋優子っていうんだけど、あだ名はタカ。
すごくポジティブでイイ子だし、ぜひとも友達にしたいタイプだ。


タカが電車のドアに挟まれる呪われた席の話をしてくれて、

「……問題の席を見てみたいな」

と、ナルが呟くと、案内を申し出てくれた。



案内されたのは、タカのクラス、ニ−五の教室の窓際の最後尾の席だ。

「これだ」と言われなくても分かるくらい、例の机は黒く靄がかっていた。
確かここに呪詛があるんだったな……。


さっそくナルは机に軽く手を置いてサイコメトリしてから、タカに質問をしていく。

どうやら、ここの席の子は怪我でまだ入院中で、さらに担任の先生も霊を見てからノイローゼで入院中らしい。


一通り聞いたナルが、最後にと質問をする。

「ところで、事件に何か心当たりはある?」

「んーと、ないよね」とタカが友達と頷きあった

『ねぇ、高橋さん』

「タカでいいよぉ、何?」

『怪事件があったからって、わざわざ先生まで霊能者を頼るなんて、全校朝礼で何かあったの?』

すでに何かを知ってるような態とらしい質問に、つい自分でも苦笑いしてしまう。

「うん、あったよ。あれ?まだ聞いてない?」

「なんですか?」とナルが聞くと、カサイ·パニックについて話してくれた。


笠井千秋さんがスプーン曲げしたら、全校朝礼で先生に吊し上げられ、つい「呪い殺してやる!」と言っちゃったらしい。

今日はもう放課後で、その笠井さんと会えないだろうし、ナルは明日に会いに行くことにした。



その後ベースに戻っても、ひきもきらずの依頼人

陽が落ちる前までには、一通りの質問を終えて、ようやくお茶にありつくことが出来た。


「どーなっとんじゃこの学校はー!!


ぼーさんが書類の束を叩いて叫ぶ。

「大変そう?」と尋ねる麻衣に、ウンザリと頷いてから、大げさな溜息をついて言う。


「ナルちゃん、なんか一発除霊して済むような、うまいアイディアはねーのか?」

「学校を関係者ごと爆破するんだな」

ナルの声もウンザリしたようす。


「お、いいね、それ!でもってその跡地を末永く立ち入り禁止にするんだ。そーすりゃ、一発で終わりだ」

これぞまさしく破戒僧だよね!

でも依頼がある度に思うけど、爆破してしまえば解決するところって、実際多いと思う。


だからって爆破するわけにもいかないわけで……

『まぁまぁ。そんなぼーさんに朗報があるよ』

「おっ、なんだなんだ??」

『ちょっとタカの机と陸上部の部室に行こうよ』

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