好きだからこそ

□4.捻じ曲げられた絆
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今日は新八くんはお通ちゃんのライブで遠出していて、万事屋には私と神楽ちゃんと定春しか居ない。



「姉御ー!もう冷蔵庫の中何もないアル!」



「あら、本当だ」



お洗濯物を畳んでいると神楽ちゃんが私を呼ぶから一緒に冷蔵庫を見ると見事に何もない。



「私、お買い物行くけど神楽ちゃんも行く?」



「ごめんヨ⋯⋯。
今日は今から公園でガキ共と遊ぶ約束してるから行けないアルヨ」



「そっかぁ。じゃあご飯作って待ってるね」



「姉御のご飯美味しいから楽しみネ!」



じゃあ行ってくるヨー!と定春と意気揚々と飛び出して行った神楽ちゃんを見送る。



「さて、今日はハンバーグかな!」



私はお財布とエコバッグを携え、銀さんにきちんと言われた通りにガスの元栓と戸締りを確認して万事屋を出る。




今、思えば何故浮気調査のために遠出しなければならないのか⋯⋯。



何故わざわざ家からこの遠いかぶき町の万事屋銀ちゃんを訪ねて来たのかを気にしなかったのか。



後悔してももう遅い。




私と銀さんの関係はもうとっくに捻れて切れそうなところまで来てしまっていることを私は知らなかった。



割引のチラシが入っていた少し遠めのスーパーまで来てみた。



それがいけなかったのかもしれない。



買い物袋を抱えてタクシーでも呼ぼうかと思った時、目に入ってきてしまった。


銀さんと美琴さんが腕を組んで、幸せそうに歩いている姿が。



頭の中が真っ白になった。



何であの二人が一緒に居るの?



何で?




何で⋯⋯?



⋯⋯⋯⋯依頼は嘘?



依頼は嘘で⋯⋯えっ、浮気?



私はあの二人が私に気付く前に路地裏に隠れた。



そっか⋯⋯浮気、か。



そうだよ、ね。



こんな平々凡々とした寸胴の女より、あんな綺麗でスラッとしたナイスバディでボンキュッボンな女の人の方がいいよね。



私はその場から動けなかった。



あの日から降り続く雪はどんどんと水分を含んでいって、次第にそれは雨となっていった。



今だけは⋯⋯どうか、今だけは。



この雨の下で泣かせてください。




to be continued...

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