短編

□ハイライトブルー
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もともと煙草は吸っていたけど、あの人と出逢ってあの人とお付き合いするようになってから同じ銘柄の煙草を吸うようになった。

会いに来るまでは晴れていた空も今は曇っていて雨が降って…おまけに雷も鳴りそうだ。



「雨ですね……」

「雨やな……」



二人で同じタバコを吸いながらどんよりした空を眺めている。
会いたいです。電話でそう一言だけ言うと真島さんは、今事務所におる。そんな短いやり取りを得て会いに来ていつも通り二人で紫煙を纏わせて……


何をする、何処にいくというわけでもないけれど二人きりでこうしているこの時間が私は好きで。


すっかり短くなった煙草を灰皿に押し付けて消すと真島さんも同じ動作をして隣に座っている私の肩に腕をまわし、そっと抱き寄せた。


「たまには何処か行こうかって思ってたんやけど…こんな天気になってもうたからな……。」

残念そうに呟く真島さんの横顔に手を伸ばして触れて彼の肩に頭を預けてゆっくり瞬きを繰り返して、


「私も同じ事を思っていました。でも私はこうしている時間も好きですよ。」



それを聞いた真島さんは嬉しそうに笑いながらまた煙草に火を点して、私ももう一本煙草を取り出して真島さんの煙草の先に自分の煙草の先を付けて火を共有する。

ゾンビ映画でも観るか、という言葉に頷いて雨の降る外の景色に向かって煙を吐き出した。


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