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□オムライス
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「タハラダせんせー今日宿直なんすよね?俺の分も作って下さいよ。夕飯。」
授業も終わり殆どの生徒は帰っていく。外は大雨に雷。とても部活はやっていられないと判断し学校は帰宅令を出した。俺以外に。まぁ、当たり前だ。家には帰らずそのまま学校に泊まるんだからな。しかし、コイツはどうだ。先程からセンセーセンセーとうるさい洒羽は一向に帰ろうとしない。終いには夕飯を作れとねだってくる。まさかと思い尋ねれば一緒に居たい等とほざく。
だが、その気持ちは俺にも少しだけある。洒羽へではなく洒羽の前世であろう人物へだ。俺の初恋であり儚く砕けた少女陽子。俺は今でも彼女を思い続けている例えこの馬鹿に転生したとしても。
「あ、俺火使えないんすよ。」
「知ってる。大人しく座っとけよ。材料は冷凍ものと米と調味料位しかねぇが何が食いたい。」
「オムライス!」
「... ... ガキかお前は。」
まだまだお子様なんすよとおどける洒羽に対し俺の心臓は肋骨を突き破りそうな程高鳴っていた。
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