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□手を貸すから
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ST☆RISHとしてデビューし、マスターコースで先輩の指導を受けながら仕事をすることにも慣れてきた頃だった。
ある日の朝、真斗はベッドから起き上がろうとしたが、体が重くなかなか起きられなかった。

(だいぶ疲れが溜まっているのか…しかし仕事を休むわけにもいかんな。)

よし、と力を振り絞って起き上がり、朝食を作るためにキッチンへ向かった。


「ふわぁ…おはよう…」

「神宮寺か。朝食はもう出来ているぞ。」

「んー、わかった…聖川は食べないのか?」

「お前が起きるのが遅かったからな。先に食べてしまった。」

レンにはそう言ったが、実は食欲が無かったので何も口にしていなかった。
むしろ朝食を作っているときの匂いだけで吐きそうになるほどだった。

「早くしないと仕事に遅れるぞ。俺はもう仕事場へ向かうから、食べ終わったら食器は流しに置いておけ。」

「はいはい、わかったよ。」





今日はトキヤと二人でテレビ番組の収録をした後、メンバー全員でダンスの練習をすることになっている。

楽屋の扉を開くと、すでにトキヤがいた。

「おはようございます、聖川さん」

「おはよう、一ノ瀬。相変わらず早いな。」

「聖川さんも十分早いですよ。…あの、つかぬことをお聞きしますが、少々顔色が悪いのでは?」

「気のせいではないか?光の加減とかだろう。」

「そうならいいんですが…」

(まさか気づかれるとはな。誤魔化したが、少し不自然になってしまったかもしれん。これ以上気づかれないようにしなければ。)

そんなことを思いつつ気を引き締めて収録に望んだので、収録を終えて楽屋へ戻る最中にはトキヤも気のせいだろうと信じ始めていた。

しかし、真斗の体調は悪化していく一方だった。正直なところ、ダンスの練習など出来る体力は残っていなかった。

(これはまずいな…少し楽屋で休めば多少は良くなるだろう。心配をかけてはいかぬから、一ノ瀬には先に行ってもらおう。)

「すまぬが一ノ瀬、先に寮へ戻ってくれ。俺は少し用があるからそれを済ませてから行く。」

「わかりました。ではお先に失礼します。」
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