翌日。 クロスは少しの間出掛けてくると言い、シルクの頭にキスを落とした後、鍵を掛けて部屋を出て行った。 「…ん」 それを受けてシルクものろのろとベッドから身を起こすと、そう広くもない室内を見回した。 そして何やら小さな小瓶を見つけたシルクは、それが昨日クロスの塗ってくれていた薬だという事に思い当たると、まだ微かに痛むそこに薬を塗ろうと蓋を開けて── 「ただい……シルク?」 扉を開けてすぐ。 いつもなら飛びついてくるはずの小さな体がないことに違和感を覚え、クロスはその名を呼んだ。 「……………」 が。それでも返ってこない返事に眉を顰めながら歩みを進めると、ベット下に蹲るようにして身を縮めるシルクを見つけ、目を見開いた。 「おい! どうし、」 「…ひゃあっ!!!」 クロスの腕がその肩に触れた瞬間、シルクはびくんと震えて高い鳴き声を上げる。 「やっ…クロっ、」 けれども次の瞬間、シルクはハッとしたように首を横に振ると、必死に上気させた頬と涙の跡をクロスから隠すようにして身を捩った。 「…原因はこれか」 そのシルクの横に蓋が空いたまま転がる容器を見つけたクロスは、一瞬にして状況を理解した。 それはクロスが昨日シルクに塗り込んだ薬とは違う、 「痛まねぇよう混ぜ入れた、媚薬の方じゃねえかよ…」 それは薄めてもなにもいないどころか、混ぜ入れる用にと結構強力な効き目を誇る媚薬で。 それをシルクが直接秘部に塗り込んだのだとしたら── 持て余す熱はかなりのものだろう。 「ひっ、うぅっ…」 唇を噛み締め、耐えるようにその熱をやり過ごそうとするシルクを見て、クロスはその歯に自身の指を噛ませた。 「やぁっ!! ぅっ!」 「噛んでいいから我慢するな」 「…っ」 そのまま片手でシルクの体をベットに持ち上げて。 降ろし終わった後その片手で太腿を撫でてやれば、その足の間からツーッと流れ出る愛液が目に入った。 「…クッ、驚いたな。今度からはこれで慣らすとするか?」 「…や、だっ…!」 気持ちとリンクしない体が怖いのか、涙を流しながらいやいやと首を振るシルク。 ── …可愛いな。 「やっ…! やだやだっ! …っ、触ら、ないで…お願い…クロっ、だめ…」 クロスの指を咥えたまま。 消え入りそうな声で瞳を伏せ、懇願するシルク。 媚薬を知らないシルクの体は今の状態がお気に召さないらしく、こうなった状態のままクロスにほっとかれる事を望んでいるらしい。 「…馬鹿が。このままにしておいて辛いのは、お前だぞ」 「…っ!!!」 熱い熱いその内部(なか)に。 クロスは埋め込んだ二本の指でシルクからあられもない悲鳴を引き出させつつ、掻き回した。 粘膜を刺激するくちゅくちゅうという音に耐えるよう、咥えているのがクロスの指だということすら忘れて噛みつくシルク。 なので仕方なくその指で口内も犯し、ぐちゃぐちゃにしてやった。 「はっ、うぅ…ひあっ」 上下の口を同時に犯される快感と媚薬の効果も手伝って、シルクの両目からポタポタと伝い落ちる涙。 更に激しさを増すクロスの指使いに、シルクの震える体の熱は冷めることなく強制上昇。 「…フィニッシュだ」 「っあ────── ァァッ!!!」 知り尽くしたシルクの“良い所”を刺激するようにクロスがクイッと指を折り曲げてやれば、シルクはのけぞって白い首元を晒した。 クロスはその体がシーツの海に溺れる前に抱きとめると、優しく口付けを落としてやったのだった |