D.Gray−man2

□組み敷かれる体(★)
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「寄り道したら犯すからな」

「う…うん」


買い出しを頼まれ、部屋を出ようとするシルク。

その背にかかるクロスの言葉に頷いて、そして──



















「やだああああっ!!!!」

「無駄だっての」


見も知らぬ大柄な男によって連れて来られたのは、クロスと泊まっているのとは違う楼閣で。
金で買収でもされているのか、はたまた男の風貌故か。シルクがいくら大声を出して暴れようと、店員達は一様に目を逸らして助けてくれなかった。


「クロスのやつが執着してるガキがどんなやつか気になって来てみりゃ、」

「…うっ!!」


太い手で顎を掴まれ、上を向かされた。


「クロスの奴もなかなかやるじゃねェか…」


引きつる喉に声など出ない。

クロスもふりほどけないのに、クロスよりもがたいのいい男にシルクが敵うはずもなかった。


「や…だッ!!!…離して!!」

「うるせェな」


ベッドに乱暴に投げられ、沈む体。


「……クロスッ! クロ…やぁッ!!」

「クロスは来ねェよ」


その上に跨り、逃げようとするシルクの動きを片手一本で封じる男。


「自己紹介が遅れたなァ。オレはウィンターズ・ソカロ。名前を呼ぶ時は喘ぐ時だけでいいぜェ!!!」

「んんっ!!」


暴れるシルクの両手を頭上で一つにまとめ、その口から言葉を奪うソカロ。


ガリッ!


「……ッ! ガキがッ」


差し入れた舌を噛まれ、ソカロが顔を離した。


「クロス以外は受け入れねぇ気かよ…!!」

「…やめっ!」


引きちぎるように団服の前をはだけられて、逸らそうとする顔も強く掴まれた。


「んん〜?こりゃクロスが付けた跡か?」

「やっ、だっ…やめて…」


クロスの付けたキスマークを指でなぞられるのが嫌で、生理的な涙がシルクの頬を伝った。


「いいねェ。人のモノをつまむってのは」

「…いっ…!!!」


クロスのキスマークを覆うように吸われ、クロス以外に触れられたことのない胸も荒々しく揉まれ、シルクはただただ泣くことしか出来なかった。


「泣く前に鳴け」

「っ…! そこだけっは!!やっ…やああッ!!!!」


簡単に開かされる足。

暴れるシルクの反応を楽しむよう、ソカロの太い中指が秘部に差し込まれた。


「いっ…!!ッ、やだっ!!いっ、たい」

「あ?まだ一本しか入れてねぇだろうが」


濡れてもないそこに差し込まれる指は、シルクにとって凶器でしかなかった。

それを遠慮なく抜き刺しされ、シルクの体に耐えようのない激痛が走る。


「お願…っ、や、め…」

「おら、抵抗しないと切れちまうぜ?」


必死で右目の防御線を発動しようとするも何も起こらなくて……

ただ感情に忠実なその瞳から、ボロボロと涙が零れるだけだった。


「そそるねェ……女の痛がる声は最高だ」

「っああああああああぁ──── っ!!!!!!!」


痛みと、クロスとは違う指の動きに必死で身をよじるシルク。


── クロスじゃなきゃやだ!!!!

クロスクロスクロス…!!!!!


「…行為中に別の男の事を考えるのはタブーだぜ?」

「…ひっ! アアァッ!!!」


ソカロによって耳の軟骨を強く噛まれ、体をずりさげた瞬間。

中に入ったままのソカロの指が深く突き刺さり、その痛みに思わずシルクの意識は飛びそうになった。


「まだ壊れるなよ?」

「いっ……! っあ、っ…」


慣らすというよりはむしろ、シルクの痛がる反応を見たいがためだけに出し入れされるかのような指。


「……っぅ!!」

「切れたか」


シーツを染めるその朱を見ても、ただ淡々とそう呟くソカロ。

更にはあろうことか、口端を釣り上げて切れた箇所をそのまま抉ってきた。


「っあああああ── ッ!!…ったい、い、たいっ」

「痛いか?」

─── っ…!!」


もはや声すら出せず、ソカロの下で強くシーツを握りしめ耐えるシルク。

出し入れする度にシーツを染める朱はソカロにとってこれ以上ないほどの喜びを、服従心を呼び起こさせた。


「ク、ロス……」


更には最後までクロスの名を呼び続けるその姿に── …ソカロの中で満たされていく、黒く歪んだ支配欲。


「いい反応だぜ…。手懐けて、めちゃくちゃになるまで躾てやりてえな」

「…うっ!!」


ソカロはシルクの中から指を引き抜き、血に濡れたその指を見せつけるようにして舐めた。


「やっ、 なん…で」


── クロスに頼まれたのは酒と、水割り用の氷。

少し多めに渡された紙幣はクロスの優しさで。

それに気付いた彼の嬉しさからほんの少し、ほんの少しだけ立ち止まった。

ただ、それだけだったのに……


「クロスの事なんか思い出せねェくらいに、最高の記憶を植え付けてやるよ」

「っや…!!」


そう口にしたソカロが体制を変えようと、一瞬だけ緩んだ拘束。

その隙にシルクが反射的に横へ転がると、力の入らない体はあっけなくベッドの下へと落ちた。


「…ったく、」


それに気付いたソカロが拾い上げようと片手を伸ばしてきたのを見て、シルクは必死で壁際まで這った。

勝算なんてない、ただの時間稼ぎ。

それでも必死に震える足を動かして立って、


「っ…」


一か八かの賭け。


「おいおい、本気か?」


僅かに開いた窓を押し上げて──

落ちた。


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