D.Gray−man1

□まさかの展開
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「だるい…」

「ダルそうだな」


腰を押さえ、ベットに横になってぼんやりとクロスを見上げるシルク。クロスが優しくその髪を梳いてやれば、


「クロスの……大きすぎだよ…!!」

「そりゃ自慢の息子だからな」


赤面しながらもシルクがそんな事を呟いてくるもんだから、クロスはカカカッと笑って僅かに体を捻らせた。

するとあぐらをかくクロスのその足の上に頭をもたせてくるシルク。

っとに可愛い猫だよお前はと言ってクロスはシルクの頬を撫でた。


「食欲は?」

「…ない」

「ほぅ」


シルクの返答に意地悪く笑って立ち上がろうとするクロスに──

本能的に危険を察知したらしいシルクは慌ててクロスのその足を掴んで止めた。


「体力作りは基本だと言ったろうが。食わせてやるから食え」


このままでは口移し確定だ…!と確信したシルクはだるい体をなんとか動かしてクロスより先に立ち上がると、クロスが机の上にあるご飯を取れないようと阻止した。

それを見て露骨に眉を顰めるクロス。


「これ以上細くなったらどうする気だ?あ?」

「い、一食抜いたくらいなら別に平気だよ!!」

「そう言っていつもいつも。たいして食わねェんじゃねぇか」


クロスがそう言って線の細いシルクの剥き出しの背中を撫であげると、シルクは切なげにその背を震わせた。


「ク、クロスだってたいして食べてな、いっ…!」

「オレはシルク食ってんだからいいんだよ」


最高の逸品だからな、と。

それを聞いたシルクは開いた口をパクパクさせ、言葉を失った。

口でクロスに勝てるはずがない事くらい分かってる。

分かってるけどでも……


「あ!!じゃあ私もクロスを食べればいいんだ!」

「…自分が何言ってんのか分かってんのか、お前?」


突然何を言い出すかと思えば…


「まっ。たまにはいいかもな」

「え?」


そう言うとニッコリと最上の笑みでシルクを見て。

向き直って座るようクロスが指示すると、警戒しながらもゆっくりとそれに従うシルクに、


「しっかりと味わえよ?」


企むようにその頭を掴み、反射的に身を引こうとするシルクの体をクロスは容易く押さえ込んだ。


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