D.Gray−man1

□途切れる意識
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「…黒の教団?」


クロスと修業を始めてから二週間程たった今日。

いきなりそこに行くと言いだしたクロスの顔を見上げ、シルクは首を傾げた。


「仮にもお前を教団に連れていくことがオレの任務だったからな。これ以上先延ばしにすると上がうるせぇ」


その言葉にかすかに落ちるシルクの頭。


── ずっとここで、修業するものだと思ってたのに。


「オレから離れるのがそんなに嫌か?」


そう意地悪く笑って、シルクを膝の上に座らせるクロスにも、もう慣れた。


「離…えっ?」


けれどもクロスのその発言に、驚いたように身を捩ってクロスの方を振り返るシルク。


「クロスも…行くんじゃないの?」


その“黒の教団”とやらにとシルクが問うと、クロスは露骨に眉を潜めた。


「オレあそこキライなんだよ」


…意味が分からなかった。


「クロスが一緒じゃないなら、やだよ」

「連中に会ってくるだけでいい。そしたらオレを探しに来い」


それでも嫌だと首を振るシルクの頭を固定し、クロスは口付けた。


「んんっ!!」


その口付けにより何やら流し込まれる液体を必死で拒もうとするも、クロスには適うはずもなくて…

喉を潤していくアルコールのそれにシルクが涙目になる間もなく、迫る二度目の口付け。

拒めば二、三回舌を絡められ、確実に喉へと流し込まれた。


「クロ、クロスっ……」

「悪ィな。愛してる、シルク」


そして視界が、途切れた。


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