刻に抗いしモノ

□新たなる一羽
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焔が羽化したことにより全セキレイが羽化したと思われた


松から鶺鴒計画の発端を全て聞き覚悟を決めた佐橋皆人


計画は第二段階へと進行する


ハズだった。



 「あ、メール。御中広人!?」



 「今、全セキレイが羽化したと思いの諸君。朗報だ。

新たなる一羽を解き放った!最後の雛鳥はゲットするのにちょっと一苦労するが、

得るモノはとてつもなく大きなものとなるだろう!

諸君らの健闘を祈る!」



 「松さん、これって。」



 「うわー、社長また煽ってるですよ〜。でも松のデータにはそんな子は・・・」


皆人は焦りを覚え、松は音を立てながらPCと向き合っている



 「あ!ありましたです!って、この子は・・・」



 「まさか此奴を解き放ったというのか・・・」



 「嘘、この子は・・・」



月海も松も何か知っているような様子だった


 「松さんこの人は?」

 

 「NO.109雅狼。いえ正式個体名

鶺鴒能力操作実験調査用個体。」


 「鶺鴒能力操作実験調査用個体?」


長々とした名前に皆人を始め隣で聞いていた草乃と結も頭を抱える



 「いわばセキレイの能力を測るためだけのセキレイです。」



 「え、でも最初に発見された生命体の数は108体なんじゃ。」


 「NO.109は既に動いていたですよ。」


 「でも、なんで?」


 「そこはこの松でも解らないことだらけなんですよ。

ただ、一つ言えるとしたらこのNO.109はとんでもなく強いということです。」


 「え、そんなに?」


周りの反応を伺う様に自らのセキレイたちに目をやると月海は爪を噛み草乃は怯え結は皆人と顔を合わせない。


この子は一体どんな子なのだろうか。
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